「高校生外交官」 長崎県内から2人が参加 米国の高校生と夏に交流

 高校生が「外交官」として渡米し、現地の高校生と交流するプログラムに、長崎南山高3年の原田晋之介さん(17)と創成館高3年の黒田美也さん(17)が参加する。2人は日本各地から選ばれた仲間と7月に渡米。同年代と交流しながらグローバルな視点を育む。
 国際的な人材の育成を目指し、AIG損害保険が1987年から実施。渡米と、日本で米国の高校生を受け入れる二つのプロジェクトがあり、例年800~千人が応募。書類と面接によって計36人を選抜している。事務局によると今年は47都道府県から応募があり、同じ県から2人選ばれるのは珍しいという。
 原田さんは二重被爆者、故山口彊(つとむ)さんのひ孫として、平和活動に取り組む。その中で外国人には原爆投下を肯定する意見があることを知り、驚いたが「今後も活動を続けていくために、原爆を落とした米国のことも知りたい」と意気込む。
 佐世保市で育った黒田さんは2度目の挑戦で初参加。幼いころから米国文化が身近で、国際交流に興味があった。「日本文化を知ってもらう前に相手の言語や文化、歴史などを五感で理解することが大切だと思った」と話す。
 米国には7月16~29日の日程で滞在。ワシントンDCの議会議事堂やスミソニアン博物館などを訪問。米国の政治や文化に触れ、多角的な視点で米国への理解を深める。滞在期間中の約10日間は日米の高校生が共同生活を送りながら互いの文化を紹介したり、ディスカッションしたりする。
 原田さんは「海外の視点を知り、国際的な活動への第一歩にしたい」と抱負。黒田さんは「固定概念にとらわれない新たな視点を学びたい」と意欲を語った。

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