36ホール目の奇跡 石川遼の同伴者がホールインワン達成で“ギリ”予選突破

奇跡の一打で予選を通過したモリナリ(左)。それを祝福するガルシア(中央)と石川遼(撮影:ALBA)

<全米オープン 2日目◇14日◇パインハースト・リゾートNo.2(米ノースカロライナ州)◇7548ヤード・パー70>

最終ホールで奇跡が起きた。10番スタートの選手にとっては、パー3の9番で予選ラウンドが終了する。「185ヤードかな。7番アイアンで打ったら入った。信じられない」と興奮を抑えきれなかったのはフランチェスコ・モリナリ(イタリア)。なんと最後の最後にホールインワンを達成。トータル5オーバーまでスコアを戻し、ギリギリで予選通過を果たした。

メジャー大会の36ホール目にホールインワンを達成して予選カットラインギリギリで通過を決めた選手など、いるかどうかも分からない(実際は初めての快挙)。それほど珍しい一打だった。入った瞬間、先を歩いていた同組の石川遼、セルヒオ・ガルシア(スペイン)がモリナリのもとに駆け寄りハイタッチ。ガルシアはモリナリに抱きついて、夕暮れのコースに歓喜の声がこだました。

8番を終えてトータル7オーバー。「8番をパーとして、9番でバーディを取りたいと思っていたら、8番でボギー。もうこれがラストチャンスと思って打ったら入ったんだ」。もちろんエースは狙って出るものではない。「可能性は少ないと思ってはいたけど…なんて言っていいか分からない」と、ホールアウト後も驚きが先に来る。

2018年の「全英オープン」覇者も、ここ数年は不振にあえいでいる。そろそろ復活といきたいところで見せた一撃。命拾いしたこの強運を生かし、残りの2ラウンドで上位を追いかける。

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