被爆体験者の救済をめぐる調査で厚労省「降雨の客観的事実なし」と報告【長崎市】

「被爆体験者」の救済をめぐり、厚生労働省は長崎の被爆地域以外の体験記を調べた結果を公表し、「雨が降ったことなどを客観的事実として捉えることはできなかった」と報告しました。

厚労省によりますと国立長崎追悼平和祈念館に所蔵されている被爆地域以外の被爆体験記について「雨」に関する記述は41件、「灰やすすなどの飛散物」に関する記述は159件ありました。

調査は 原爆が投下された79年前の8月9日に国が定める被爆地域以外で雨が降ったことを示す記録が含まれている可能性があるとして、長崎県と長崎市が要望したものです。

2023年7月から約1年かけて体験記3744件を調べました。

統計学や放射線疫学などの専門家は「体験記はそれぞれの思いを記述したもので降雨などを明らかにするためのデータとしては信頼性に乏しい」などと述べています。

専門家の評価を踏まえ、厚労省は「降雨などを客観的事実として捉えることはできなかった」と結論付けました。

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