「猛暑」の9月運動会、悩む島根の小学校 6月や10月模索するも日程調整に苦悩

運動会で鼓笛隊パレードを披露する児童=浜田市旭町丸原、旭小学校

 昨年9月の猛暑を受け、島根県内の小学校で今年の運動会の9月開催を避ける動きが出ている。事前練習や運動会当日の熱中症を防ぐのが狙い。近年の異常気象を背景に、比較的過ごしやすい6月や10月開催の動きが広がっているが、年間行事がめじろ押しで日程調整に頭を悩ませる。

 8日、快晴の中で開かれた旭小学校(浜田市旭町丸原)の運動会。全校児童110人が伝統の鼓笛隊パレードを披露すると、保護者たちがカメラを向け、わが子に手を振った。

 午前8時半から正午ごろまで、児童はリレーや応援合戦などに奮闘。6年の児童がいる会社員、岩田雄二さん(48)は「去年は猛暑で心配だった。今年は風があり涼しくていい」と笑顔だった。

 同校は今年、熱中症対策として運動会を昨年の9月16日から大きく前倒した。昨年は9月から始めた事前練習で気温が30度を超え、屋外練習を中止せざるを得ない日もあった。今年は5月下旬に練習を始め、予定通り屋外練習でき、花田健司校長は「児童の安全が第一。来年も6月実施の方向で検討したい」と話した。

 浜田市内は、小学校全15校が昨年9月中旬ごろに開いたが、今年は14校が日程を大幅に変更。4校が6月に前倒し、10校が9月下旬や10月上旬に繰り下げた。

 気象庁によると、23年9月の全国の平均気温は平年を2度以上上回り、9月の過去最高を記録。島根県内も全19地点の平均最高気温が27.2~30.3度で、22年9月の25.6~29.0度を上回り、学校はより児童の安全対策に気を配らなければならなくなっている。

 例年の9月から今年は10月5日に変更する川本小学校(川本町川本)は昨年、当日に最高気温31度になり、急きょ長めの休憩時間を設け、冷房の効いた体育館で児童を休ませた。教員や保護者から9月開催を避ける要請もあり、星野明洋校長は「今年は涼しい中でできるといい」と話した。

 悩ましいのは日程調整だ。平田小学校(出雲市西平田町)は今年、修学旅行と日程を入れ替え、昨年の9月から6月8日に移した。残暑は避けられるが、5月中旬の市陸上大会後、すぐに運動会練習に取りかかる日程になった。飯塚積校長は学校行事との調整の難しさを挙げ「児童に負担の少ない日程繰りを考えたい」と話した。

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