〈鹿児島県知事選〉医師連盟の塩田氏推薦取り下げ「有権者にはどう映るのか」…現職推す自民党内、友好団体のひずみに影響の拡大懸念

 20日告示の鹿児島県知事選を前に、現職塩田康一氏(58)を推薦する自民党の友好団体の足並みが乱れている。過去の知事選で自民推薦候補を支援し、前回、前々回とトップが現職の後援会長も務めた県医師連盟の推薦取り下げは、まさに異例。対立候補の新人米丸麻希子氏(49)の応援に回るとの見方もあり、波乱含みだ。

 「自民党に反旗を翻したわけではない。自民党と医師会は今まで通りだ」。14日の会見で、医師連盟の池田琢哉委員長は強調した。11日には東京で党県連の森山裕会長にも面会し、「われわれの思いを伝えた」と明かした。

 今後の対応は未定。ただ、他候補を応援する可能性を問われると、「想像にお任せする」「可能性は否定できない」と煙に巻いた。

 池田委員長の周囲では会見前から「米丸氏を推薦する」という声が漏れていた。直前に「『対立候補に推薦を出すのはいかがなものか』と、国会議員にくぎを刺された」と語る関係者もいる。

 自民県議の一人は、救命救急センター指定を巡る医師会と塩田氏との見解の相違が知事選に飛び火したと語り、「元々が一枚岩の組織ではなく、影響は限定的」とみる。別の県議は他の友好団体は塩田氏を応援しているとする一方、「推薦を取り下げられたという事実が有権者にどう映るか。影響は間違いなくある」と分析した。

推薦取り下げについて説明する鹿児島県医師連盟の池田琢哉委員長=14日、鹿児島市

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