「W15東京 大東建託オープン」、西郷里奈と秋田史帆が決勝進出!ダブルスは井上明里/小関みちかが優勝<SMASH>

女子テニスのITF(国際テニス連盟)ワールドツアー「W15東京 大東建託オープン supported by JWT50」(東京・有明)では16日、女子シングルス準決勝2試合と同ダブルス決勝を実施。シングルスでは、秋田史帆が大前綾希子を6-4、7-6(6)で破り、西郷里奈はリュー理沙マリーに1-6、6-3、6-2の逆転勝利を収めた。またダブルスでは、井上明里/小関みちか2-6、7-5、10-8で宮本愛弓/永田杏里に勝利した。

ITFツアーは国際テニス大会のカテゴリーの中で、WTAツアーの下部大会に当たり、特に賞金総額15,000ドル大会(W15)は最も低いグレードとあって、世界を目指すプレーヤーたちの登竜門となっている。

今大会を主催する『JWT50』は、日本女子テニス界のレジェンドである伊達公子氏をはじめ、世界50位以内をマークした杉山愛氏、神尾米氏ら有志によって2022年に創設された一般社団法人。若手の育成を目的に昨年から日本各地でこのITFツアーを開催し、今年も「大東建託オープン」として6つのW15(賞金総額15,000ドル)大会を主催。W15東京は、富山と福井に続く第3戦にとなる。
2面同時進行で行なわれシングルス準決勝。秋田の相手は2週間前の有明で優勝している好調の大前。どんな状況でも諦めずにファイトしてくる難敵に対して「しっかりと受けてたち、ファイトバックできるようにと心掛けた」という秋田は、激しいラリー戦でも一歩も引かず。相手の際どいボールをさらに際どいコースへと打ち返しポイントを重ねた。

今年3月から神尾米氏の元で指導を受けたことで「プレーの選択肢が整理されて柔軟性が出てきた」と自己分析する秋田は、第1セットを6-4で手にすると、続く第2セットでも競り合う場面でポイントを譲らず。試合はタイブレークに流れ込んだが集中力を切らさず8-6として接戦に終止符を打った。

決勝進出を決めた秋田は「決勝では誰が相手であってもタフな試合になるはずです。だからそうした中でも自分らしく攻めを中心にやりつつ、自分で流れを感じ取って柔軟に対応できように戦いたいです」と語る。
一方、リューと対戦した西郷は、立ち上がりから際どいコースを突いてくる相手に対して反撃の糸口が見つけられず。「良いボールが返せなかった」ことで自分から思うように展開できず、1-6と大きく引き離されて第1セットを失う。

だが、「とにかく1球に対してもっと慎重に行こうと思った」という第2セットは、互いにブレークを繰り返す緊張した展開のなかで、丁寧にプレーする西郷が徐々に流れを引き寄せ3-6としてセットカウントをイーブンに戻す。

迎えたファイナルセット。西郷は激しい競り合いとなった第1ゲームでブレークに成功すると、ややスローダウンした相手に対してギアを上げて引き離しにかかり、最後は6-2で勝利を引き寄せた。

決勝で秋田と対峙することになった西郷は「今まで対戦したことがないので、どんな試合になるか楽しみな部分もあります。秋田さんは経験豊富な方なので余裕があるかなと思います。だから明日も第1セットがどうなるかわかりませんが、そうした中でも自分のできることをやっていきたいです」と語る。
一方、女子ダブルス決勝はマッチタイブレークにもつれ込む接戦の末に井上/小関が、宮本/永田を逆転で下しタイトルを手にした。

「この歳で優勝できるとは思っていませんでしたが、まだまだ頑張ろうと思いますので応援お願いします」と表彰式で語る井上。パートナーの小関は「(井上)あかりさんと組んで優勝するのはこれが3回目です。5~6年ぶりなのでとてもうれしいです。また、私は(東京の)江東区出身なので地元の有明でこうして皆さんの前で感謝の言葉を述べることができてとてもうれしいです」と笑顔を見せた。

なお、西郷里奈と秋田史帆による女子シングルス決勝は、16日(日)の11時開始(入場無料)。果たして勝利の女神はどちらに微笑むのか。

取材・文●小松崎弘(スマッシュ編集部)

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