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高岡市の射水神社は、重要な儀式に限って開くことを許されていた「中門(ちゅうもん)」の御扉(みとびら)を、明治時代の姿に復元することを決めた。来年の遷座(せんざ)150年の式年大祭記念事業の一環で、貴重な建物の姿を後世に伝える。
●勅使迎える祭儀で使用
射水神社は1900(明治33)年の高岡大火で社殿が類焼し、1902(明治35)年に再建された。御扉はヒノキ製で、本殿と拝殿の間にある中門に取り付けられ、本殿手前の祝詞(のりと)屋と拝殿を区切っていた。宮中からの遣いである勅使が訪れる重要な祭儀の際には、中門が勅使を迎え入れる建物として使われていたという。
御扉は2005(平成17)年、参拝者の増加に伴う空間の確保などのため取り外され、県内の建設会社に保管されていた。1枚は高さ240センチ、幅140センチと大きく重いため、安定して開閉できるよう設置することが難しいことが課題だったという。
今年5月、明治時代に社殿の再建を手がけた松井建設(東京)で、当時の中門の図面が新たに確認されたことから図面を元に御扉を以前の姿に復元できることになった。
15日に遷座150年式年大祭奉賛会の総会が開かれ、中門の復元が承認された。7月中の完成を予定している。9月には本殿の屋根の葺き替え工事を前に、本殿にいる神を祝詞屋の「御鳳輦(ごほうれん)」に移す儀式が営まれる。