“やがえふ”は誇り 富山県高岡市の金屋町で6月19、20日御印祭、児童・生徒ら稽古に熱

踊りの所作を確認する子どもたち

 富山県高岡市金屋町で19、20の両日に行われる「御印祭(ごいんさい)」に向け、地元の子どもたちが通称「やがえふ」と呼ばれる民謡「弥栄節(やがえぶし)」の踊りの稽古に励んでいる。能登半島地震の影響で奉納踊りは規模縮小を余儀なくされたが、「去年よりも良い踊りを見せたい」と意気込んでいる。

 御印祭は高岡鋳物発祥の地・金屋町の礎を築いた高岡開町の祖、加賀藩2代藩主前田利長をしのぶ祭り。19日の前夜祭は、伝統的な町家が連なる石畳通りで住民ら約500人が町流しを繰り広げる。

 20日の本祭は地元の小中高生が奉納踊りを行う。例年、利長公墓所と金屋緑地公園、有礒正(ありそしょう)八幡宮の3カ所で披露しているが、今年は能登半島地震の被害を受けた墓所は除く。

 12日から金屋町公民館などで稽古に励んでいる。竹の棒を使った力強い男踊りと、手拭いを用いた情緒豊かな女踊りがあり、子どもたちは弥栄節保存会のメンバーでつくる「ヤッホーの会」から指導を受けている。

 奉納踊りに参加する山本衣桜(いお)さん(12)は「静かに踊るところと、音に乗るところのメリハリが難しい」と念入りに所作を確認。高島来弥(らいや)さん(15)は「祭りは地元の誇り。迫力ある男踊りを見てもらいたい」と話している。

ハートの和菓子いかが 金屋町住民考案、19日に限定販売

 高岡市金屋町を盛り上げようと、住民が町内にあるハートの石畳をイメージした和菓子を考案した。御印祭前夜祭の19日に数量限定で販売し、町のPRにつなげる。

 和菓子を考案したのは、通りに住む串田佐久一さん(77)。同市金屋町の石畳の通りに、ブロンズ製2個と石で作った5個の計7個の“小さなハート”が埋め込まれていることにちなんで企画した。他の住民もサポートした。

 製造は富山市の和菓子店に依頼。カラフルなハート型の琥珀糖(こはくとう)で、グレープやイチゴなど七つの味が楽しめる。19日午後5時から「金屋町金属工芸工房かんか」で販売する。1個800円で、20個限定。

 まだ試作の段階で、住民らの意見を参考に本格的な商品化も検討する。串田さんは「金屋町のことを知ってもらうきっかけになるようなお土産にしたい」と話している。

ハート型の琥珀糖を考案した串田さん(中央)ら

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