フジ「新しいカギ」は令和の「学校へ行こう!」になれるか? Z世代に刺さりコア視聴率好調

フジテレビ(C)日刊ゲンダイ

お笑いバラエティー番組「新しいカギ」(フジテレビ系)がすこぶる好調だという。2021年4月に放送を開始した当初は、コントベースの番組構成で視聴率が伸び悩み、打ち切りが囁かれるほどの低空飛行が続いていたが、22年11月に始まった「学校かくれんぼ」という企画が、若年層の心を掴んで急成長した。

「学校かくれんぼ」は、実際の高校を舞台に、そこに通う本当の生徒が総出で、学校のどこかに隠れたレギュラーのチョコレートプラネット、霜降り明星、ハナコやゲストの芸能人を捜すというもの。他にも「高校生クイズ何問目?」や「校内一周!障害物駅伝」など、学校企画をメインに据え、サブでコントを展開している。

コンセプトや構成の見直しが功を奏してか、フジテレビの港浩一社長は24年3月度の社長会見で、「『ドッキリGP』と『新しいカギ』のコア視聴率が好調で、1月クール12週のうち、G・P・全日の3冠を5週獲得できている」と好調ぶりをアピールした。

学校を舞台に、生徒たちが本気で楽しめるコンテンツを共に作り上げるという番組の姿勢に対し、視聴者からは《新しいカギ、令和版学校へ行こうみたいな感じがする》と、TBS系で1997年10月から2005年3月までレギュラー放送されたバラエティー番組「学校へ行こう!」を想起する声も上がっている。

また、学校を舞台に、生き生きとした学生の姿を見られる学校企画は、若年層だけでなく、親世代の視聴者にも好評のようだ。

「親世代の購買意欲を高めるためには、中高生をターゲットにし、親を巻き込んだ視聴につなげるのも一つの方法です。『学校かくれんぼ』をはじめとする学校企画は、主役が学生なので、コンプラが厳しい時代でも和気あいあいと見られて家族だんらんには適したコンセプトになっていますし、そこに広告価値を感じる企業もいるでしょう」(広告代理店関係者)

ただ、学生向けの企画には思わぬ落とし穴が潜んでいるという。

「人気グループSnow Manの冠番組『それSnow Manにやらせて下さい』(TBS系)も、高校潜入企画などをやっていた時期がありますが、ここ1年ほどは放送されていません。好きなアイドルが、高校に行くという企画は、《こっちはお金払ってライブに会いにいってるのに》と、学生との絡みをわざわざテレビで見たくないというファンもいるようで、アイドルと一般人が絡む企画は意外と難しい印象です。その点『新しいカギ』は、芸人がベースとなっているので荒れる心配もないでしょう」(前出の広告代理店関係者)

令和版「学校へ行こう!」という呼び声が高い「新しいカギ」。「学校へ行こう!」のように、伝説的な人気番組へと、このまま成長することができるか?

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