下剋上はあるか… 横峯さくら、森井あやめが”職場”確保へ望みつなぐ決勝進出

森井あやめ(左)と横峯さくら(撮影:米山聡明)

<ニチレイレディス 2日目◇15日◇袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コース(千葉県)◇6584ヤード・パー72>

今大会終了後は、非シード選手を対象に年2回行われる『リランキング(RR)』の第1回目が実施される。上位30位付近までが中盤戦のほとんどの試合に出場できる目安となっているが、2日目を終えた時点で横峯さくら、森井あやめが一発逆転のボーダー越えも見える位置で最終日を迎える。

先週の「宮里藍 サントリーレディス」では11試合ぶりとなる決勝進出を果たした横峯は、今週も勢いそのままにトータル4アンダー・10位タイで決勝へ進出。リランキング突破に近づいた。

前半はすべてパーを並べる展開も、後半は3つのバーディを奪った。「ほんとうに耐えるゴルフでしたが、前半をイーブンで回れたことが後半のバーディにつながりました」。前半はショットが右に出てしまっていたが、ホールを重ねるごとに軌道修正できたことで、2日目を好位置で終えることができた。

現在、リランキングは52位(19.45pt)。このままトップ10入りを果たせば41ptが加算され、”ボーダー越え”となる。「先週、予選通過できたことで気持ち的にも楽になった。1つでも順位は上げたいです。自分のゴルフができれば結果はついてくると思うので、徹底してやりたいと思います」とプロ21年目の横峯は柔和な表情で最終日への意気込みを口にした。

さらに2日目の全体ベストとなる「66」をマークした森井もリランキング争いで有利な展開に持ち込めた。リランキングは常に意識していたと話すが、今季決勝進出は15試合中、3回と苦戦。「全部の試合に出ていたんですが17ポイントしか稼げいていなくて…」。

今大会も初日は3オーバー・84位タイと下位に沈み「ちょっと怪しいかな」と肝を冷やしたが、2日目は「ショットもずっと良くて、パットも入ってくれた」とパーオン率は72.2%(13/18)に25パットの高水準を記録し、7つのバーディを量産してみせた。3番パー3では唯一のボギーとするも15位タイまで浮上し、リランキング突破へ名乗りを上げた。

このままの位置で終えると30ptが加算され、リランキング53位(17.75pt)からボーダー付近まで浮上する。「きょうみたいにいいゴルフができればいいですが、攻めすぎるところがあるので守りつつ、攻めつつ、いい具合でできれば」と一発逆転へのシナリオを描いた。

中盤戦の出場権獲得へ向けて重要な一戦は、泣いても笑っても残り一日。優勝争いはもちろん、職場を懸けた戦いからも目が離せない。(文・齊藤啓介)

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