「何をしてくるか分からない」 逃げ切りを図る宮本勝昌が警戒する“日本のパドレイグ・ハリントン”

首位を走る宮本勝昌が警戒する“日本のハリントン”とは?(提供:PGA)

<スターツシニア 2日目◇15日◇スターツ笠間ゴルフ倶楽部(茨城県)◇7038ヤード・パー72>

昨季のシニアツアー賞金王、宮本勝昌が初日に引き続き出場全選手の中でのベストスコア「65」をマーク。後続に3打差をつけるトータル13アンダーで単独首位を守った。今季初優勝をかけて最終日に臨む。

スコアだけを見れば、2日間ボギーフリーのまったく隙のないゴルフ。しかし、「練習場でできているのに何で試合でできないんだろう? っていう歯がゆさがあります」と、初日に続きショットには満足していない。スタートの1番ではティショットをいきなり右に曲げて、木の下へ。セカンドはグリーン方向へ低く出したが届かず。しかし、3打目のアプローチをOKに寄せて難なくパーをセーブした。

「右に行ったら、次は左に行くし、ちぐはぐな時間帯があったんですけど、ゴルフは本当にうまくいっています。スコアメイクの部分では問題なく100点のゴルフができている。何も悲観するところはなくて、ただ自分の課題ができてないというのが気持ちのコントロールが難しいですね」。そう話す渋い表情と結果はリンクしていない。

その中で宮本が警戒するのは、3打差の2位につける兼本貴司。昨シーズンは賞金ランキング33位で同30位までに与えられるシードを失ったものの、3月の最終予選会ではトップ通過を果たし、4月の開幕戦「ノジマチャンピオンカップ箱根」でいきなり優勝を飾った。いま最も勢いがある選手と言っていいだろう。

「僕は兼本さんを日本のハリントンだと思っている。全米シニアオープンに向けて“仮想ハリントン”でやっていますから(笑)。あの人とゴルフをやっていれば何の問題もない」。宮本のいうパドレイグ・ハリントン(アイルランド)は、「全英オープン」2勝と「全米プロ」1勝を含む米ツアー6勝を誇る世界のトップ選手。シニア入りしてからも「全米シニアオープン」をはじめ、7勝を挙げている。実際に宮本は、昨年の「全米プロシニア」の3日目に最終組でハリントンと回っている。

「ハリントンと僕は(ドライバーで)大体20ヤードくらいは違う。ちょっと失敗すると30ヤードは平気で離されるし、上手いこといくと少し縮まるイメージ。まさに兼本さんだなと思って(笑)。最高のスパーリングパートナーです」。宮本もシニアツアーでは飛ばし屋の部類に入るが、兼本もハリントンもドライバーでは軽く300ヤードを超えるシニア離れした飛距離を持つ。

今大会の2日目に、宮本は兼本と最終組でプレー。今日の最終日も再び最終組で兼本との直接対決となった。「(最終ホールは)何打差で来ても怖いですね。あの人はセカンドを入れたりしそうだし(笑)。何をしてくるか分からない」。2オン可能な最終18番パー5で、兼本は初日に2オン・1パットのイーグルを奪っている。最終日はティイングエリアが前に出され、549ヤードから531ヤードとなり、よりイーグルが獲りやすいホールとなった。

今大会が終わると1週空いて、宮本は「全米シニアオープン」に出場する。米国でハリントンと戦う前に、“日本のハリントン”を倒しておきたい。

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