「それを才能と思って続けられるか」プロ初本塁打を放ったソフトバンクの「柳田2世」、チームの〝頭脳〟が評価したすごみとは?

15日の阪神戦のヒーローインタビュー後、ファンと触れ合う笹川(撮影・栗木一考)

◆日本生命セ・パ交流戦 ソフトバンク6―2阪神(15日、みずほペイペイドーム)
ソフトバンクの笹川吉康外野手(22)がプロ初アーチを放った。打球速度176キロ、飛距離128メートルの特大アーチ。「柳田2世」とも呼ばれる期待の星が圧倒的なパワーを本拠地のファンに見せつけた。

昨年の秋季キャンプ。若手を中心に打球速度やスイングスピードを計測した数値が貼り出された。トップは軒並み笹川だった。

際立っていたのは打球速度。最速179・4キロをマークしていた。吾郷伸之チーフアナリストは「打球速度が速いってことは、間を抜ける確率が高くなる」と強打者の証しでもある数値を高く評価する。一方で、笹川の強みはスイングスピードだけではないとも強調する。

データを解析し、チームに還元する〝頭脳〟が「そっちの方が僕はすごいと思う」と挙げたのは積極性だった。「初球から全部振れる。柳田や松田みたいにファーストストライクの球を振れるのは素質だと思う。それは淡泊だと思われるようだけど、できるようでできないこと」

例に挙げた柳田の真骨頂は〝超積極スイング〟だ。昨季はファーストストライクのスイング率が76%を超えた。規定打席に立った打者では唯一の70%超えで、2位は日本ハムの万波で68・9%。ダントツの高さだ。その上で0ストライクから結果球となったものの統計でみると、161打数65安打、2割9分3厘をマークするなど結果も残している。

笹川は同じように臆することなく積極的なスイングができる。それこそが「柳田2世」らしさを表していると分析する。本塁打を打った打席は1ストライクからだったが、1、3打席目は初球を振ってセカンドゴロ。1軍でもスタイルを貫いた結果と言える。「それを才能と思って続けられるのか。そういう意味でもギータに近い」と吾郷チーフアナリストは語る。初球から豪快なスイング。新星のそんな〝超積極スイング〟にこれからも注目だ。
(鬼塚淳乃介)

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