戦没者を思い「栃木の塔」を清掃 沖縄の栃木県人会「栃の葉会」、沖縄慰霊の日を前に

栃木の塔の清掃活動に参加した栃の葉会のメンバー=15日午前、沖縄県内

 沖縄栃木県人会「栃の葉会」は15日、「沖縄慰霊の日(6月23日)」を前に、沖縄県糸満市摩文仁の平和祈念公園内にある「栃木の塔」で清掃活動を行った。

 栃木の塔は、沖縄戦や南方諸地域で戦死した本県出身者3万1千柱以上を合祀(ごうし)している。栃の葉会は、約40年にわたり、慰霊の日の前の週末に奉仕活動を続けている。

 今年は会長の菊地志乃(きくちしの)さんをはじめ、30~70代の本県出身者9人が集まり、午前10時から1時間ほど汗を流した。栃木の塔の隣にあり、太平洋戦争末期に沖縄県警察部長を務めた荒井退造(あらいたいぞう)=宇都宮市出身=らが祭られている「島守の塔」でも手を合わせた。

 副会長の高久健治(たかくけんじ)さん(71)によると、14日は沖縄県内が集中豪雨に見舞われ、道路冠水などの被害が相次いだが、15日は天候も回復し無事活動できた。今年は曜日の巡り合わせで栃木県民の日と重なり、9人は本県とのつながりに改めて思いをはせた。

 高久さんは「栃木の塔に眠っている多くの戦没者を思うと、毎年感慨深い思いがする。沖縄栃木県人会は輪が着実に広がっているので、さらに交流を深めていきたい」と話した。

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