7回無死、右中間へソロを放った近藤(右)を迎える小久保監督(左)(撮影・穴井友梨)
◆日本生命セ・パ交流戦 ソフトバンク1―4阪神(16日、みずほペイペイドーム)
5年ぶりの頂点にはあと一歩届かなかった。交流戦の優勝は楽天に譲ったが、18試合で貯金を六つ増やしたチームに悲壮感は全くない。小久保裕紀監督は「優勝の可能性まで来たのが想定外だった。最低(勝率)5割でやってきたので、これで一区切り」とうなずいた。
楽天と同率で迎えた最終戦。初回に石川柊太が四死球から塁を埋め、前川右京に満塁弾を浴びた。指揮官が「阪神で一番防御率がいい投手」と認める才木浩人には7回に近藤健介が10号ソロで一矢を報いたが、初回の4点は最後まで重かった。
それでも交流戦は12勝6敗。6連戦が3週続く間に柳田悠岐と三森大貴が負傷離脱し、主砲山川穂高もノーアーチに終わった中での好成績を、小久保監督は「投手陣が安定しているのが一番の理由」と説明。打線では右手を捻挫している近藤の活躍、栗原陵矢の好調などを挙げた。
セとの短期決戦ではドラフト3位ルーキーの廣瀨隆太、高卒4年目の笹川吉康など若手の活躍も光った。同一リーグとの対戦がない間に、パ2位との差も交流戦前の4・5ゲームから8・5ゲームに拡大するなど、チームの勢いに陰りは見えない。
「誰かが悪くても、誰かがカバーすれば打線として成り立つ。(リーグ戦再開までの)4日間ゆっくり休んで、中盤戦に入りたい」。小久保監督は力を込めた。21日のロッテ戦(北九州)から球宴までの25試合も全力で突き進む。(小畑大悟)