メジャーで2年ぶりトップ10 松山英樹は6位終戦も「前回より少しうまくなったのかな」

松山英樹は10年ぶりのパインハーストでの戦いを6位で終えた(撮影/村上航)

◇メジャー第3戦◇全米オープン 最終日(16日)◇パインハーストリゾート&CC パインハースト No.2(ノースカロライナ州)◇7548ヤード(パー70)

優勝スコアは「7アンダー、6アンダー」と見立てていた。2アンダー5位からのスタートでは4つ、5つと伸ばす必要があった。松山英樹は開始1番からパーを並べて迎えた9番(パー3)でボギー。「バーディを先行させないとチャンスはないと思っていた」という痛恨の後退から、2021年「マスターズ」以来のメジャー2勝目を逃した。

5打差を追って飛び出し、すぐにピンチが連続した。1番で2打目をグリーン奥にこぼすと、2番では第1打を左サイドのフェアウェイバンカーに入れた。4番も必死のバンカーセーブと、持ち前のウェッジ技術が光るばかり。チャンスを作れないままホールを消化した。

厳しいライからのショットも強いられた(撮影/村上航)

折り返しの9番、グリーン左手前からのバンカーショットをピン上2m強に寄せた。右に打ち出したボールはフックしきらず、カップの右を通過。「あれを外した時点で優勝のチャンスはだいぶ低くなった」。チャンスホールと見立てた10番(パー5)は第1打を左に曲げてパーどまり。バーディは316ydに設定され、1Wで1オンさせた13番だけだった。

逆転の望みを絶たれたまま、最終18番は3mのバーディパットを外した。1バーディ、1ボギーと、追う立場としては静かなスコアカードの「70」で、2アンダーのまま6位でフィニッシュ。勝ったブライソン・デシャンボーのスコアはやはり、通算6アンダーだった。

ティショットを曲げた(撮影/村上航)

流れをつかめないまま逆転の機会を逸した一方で、松山は「よく粘れた感じはある。9番、10番で落として(10番はパー)しまったので厳しい戦いでしたけど、最終日にオーバーパーを打たずに終われたのは良かった」と週末の戦いぶりを振り返った。35位だった2014年以来のプレーとなったパインハースト。6人の日本勢でただ一人予選を通過し、優勝争いに加わった。「きのう、きょうと全然思うようにいかない中で粘れたのは良かった。前回(10年前に)、出たときよりは少しうまくなったのかなと思います」と語った。

12回目の全米オープンで4回目のトップ10入りは、4大メジャーで2022年の本大会(4位)以来2年ぶり。2月の「ジェネシス招待」で3年ぶりにPGAツアーで優勝し、復調傾向にあるのをメジャーでも証明した。

上位でプレーできている充実感も少なからずある(撮影/村上航)

「体の状態が今でも日替わりですけど、それでも良い状態でプレーできることがね(大きい)。ゴルフの状態も悪いなりにここまで持ちこたえられているのは良い状態だと思う」と、また手ごたえを感じられた。次週はすぐにPGAツアー「トラベラーズ選手権」(コネチカット州TPCリバーハイランズ)がある。(ノースカロライナ州パインハースト/桂川洋一)

メジャーでのトップ10入りは4位だった2022年の全米オープン以来(撮影/村上航)

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