「悪いなりに持ちこたえられているのは良い状態」 松山英樹は全米制覇ならずもメジャー今季初トップ10

松山英樹はメジャー今季初のトップ10入りとなった(撮影:ALBA)

<全米オープン 最終日◇16日◇パインハースト・リゾートNo.2(米ノースカロライナ州)◇7548ヤード・パー70>

2021年「マスターズ」以来のメジャー2勝目を目指した松山英樹は、最終日に1バーディ・1ボギーの「70」でプレー。5打差を追いつくことはできず、首位と4打差の6位で自身12回目の全米オープンを終えた。

スウェーデンの24歳新星、ルドビグ・オーバーグと2サムでラウンド。最終組の2つ前から、上位の背中を追った。前半はアプローチでカバーして耐えながらチャンスを伺うもパーを並べ続ける。そして、1打目を手前のバンカーに落とした9番パー3では、落としどころが下り傾斜のなかピン上2メートルにつけたが決め切れず、先にボギーがきた。

「バーディを先行させないとチャンスはないと思ったので、先にボギーを打ってしまったので苦しかった。(優勝は)6アンダーから8アンダーかなくらいだったので、あれ(9番)を外した時点で、優勝のチャンスはだいぶ低くなった」

獲りたい10番パー5はパー。左のネイティブエリアから出すだけとなった11番では、3打目が残り103ヤード。2日目、3日目とピンに絡めてバーディにしたが、きょうはここから2メートルにつけてパーで切り抜けた。12番もネイティブエリアからバンカーへと渡るも、2メートルを沈めてセーブした。

この日唯一のバーディは、ギャラリーを沸かせるハイライトにもなった。実測316ヤードの13番パー4で、ドライバーでの1打目が土手に当たりワンオン成功。右上8メートルのイーグルトライは、わずかに右を抜けたものの、しっかりと“〇”を刻んだ。この日は11回パーオンしたが、すべて2パット。優勝争いについていくことはできなかった。

それでも、全米では22年大会以来のトップ10入り。今年のマスターズで38位、「全米プロゴルフ選手権」で35位だったことを踏まえれば、ある一定の評価を与えられるような内容でもある。「きのうきょうで思うようにいかないなかで、粘れたのはよかった。前回出たときよりは少しうまくなったのかな」。同地で開催された14年大会はトータル8オーバー・35位タイだった。

「体の状態がいまでも日替わりですけど、ゴルフの状態も悪いなりにここまで持ちこたえられているというのは良い状態だと思う。これを最低限のレベルにしていきたい」。「パリ五輪」出場もここで初めて明言。この経験を、今年最後の海外メジャー「全英オープン」につなげたい。(文・笠井あかり)

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