夏前に屋外の水道管に蛇口を付ける「仮水栓」 被災地で工事始まる 石川・珠洲市

能登半島地震の被災地では、住宅内の配管で漏水が相次ぎ修理業者の順番待ちが今も続いています。石川県珠洲市では本格的な夏を前に屋外の水道管に蛇口を取り付ける仮水栓の工事が始まっています。

記者リポート「夏の訪れを前に水が使える家庭を少しでも増やしたい。仮水栓は救世主となるのでしょうか?」

珠洲市建設環境課・大宮準司課長「高齢の方が避難所の給水ポイントへ給水袋を持って行き来するのが負担なので、それを解消しなくてはと。なるべく自宅に近い所に給水できるところを設けようと」

珠洲市では市内の断水は解消しているものの住宅内の配管が破損し水が漏れるなどして水道が使えない住宅がいまだ数多くあります。こうした中、夏を前に高齢者世帯の給水作業の負担を減らそうと、珠洲市が始めたのが水が通る住宅前の水道管に仮設の蛇口を取り付ける仮水栓の設置です。

もともと正院町の男性が、断水が解消した4月に給水や洗濯のために自ら自宅の前に蛇口を設置したことから広まったこの活動。現在は市が災害救助法に基づいて行っていて、対象は75歳以上の高齢者が暮らす世帯や、配慮が必要な人がいる世帯に限られているものの、5月23日から6月17日までに5世帯に取り付けたということです。

珠洲市建設環境課・大宮準司課長「高齢者や要配慮者などに絞ってやらないと、施工のスピードが遅くなるだろうということで、対象を絞った。状況を見て対象を拡大するなど、柔軟に対応していく」

珠洲市では少なくとも2000人ほどが在宅避難をしているとみられていて、本格的な夏を前に今後、対象を広げる可能性もあるとしています。

© MRO北陸放送