クマ出没多発の富山県立山町、捕獲おり設置

捕獲用おりを設置する町職員ら=立山町末谷口

 富山県立山町は17日、今月6日以降に町東部の農村エリアの末谷口、上末地区でクマの出没が相次いでいることを受け、新たに末谷口地区にクマの捕獲用おりを設置した。目撃情報は16、17両日も寄せられており、対策を強化する。

 目撃が相次いでいるのは河岸段丘沿いにある集落内など。クマが林に潜んで移動しやすい地形に加え、春から初夏は親離れしたクマが安住の地を求めて移動する分散期でもあり、人間への警戒心が薄いことなどから人間の生活圏に出没する可能性が高くなる。

 町は6日の出没を受け、現場周辺で町鳥獣被害対策実施隊や町役場、立山町消防署などによるパトロールのほか、花火を使った山への追い払いを行ってきた。ただ、16、17両日に再び出没が相次いだため、捕獲用おりを設置することにした。

 町は2024年度、集落にクマを寄せ付けない対策を講じるため、柿など放任樹木の伐採促進に向け、集落などを対象に伐採費用を支援する制度を創設。さらなる周知も進める。17日の町議会産業厚生委員会で、澤井峰子氏の質問に答えた。

© 株式会社北日本新聞社