米財政赤字見通し、今年度は過去最悪の1.9兆ドルに上振れ=議会予算局

David Lawder

[ワシントン 18日 ロイター] - 米議会予算局(CBO)は18日に発表した最新の財政収支見通しで、2024年度(9月30日まで)の財政赤字の想定規模を2月時点の1兆5070億ドルから、1兆9150億ドルに引き上げた。新型コロナウイルスのパンデミック期間を除けば、過去最悪の赤字となる。

学費ローン免除や低所得層向け医療保険拡充、銀行破綻処理のための連邦預金保険公社(FDIC)のコスト、ウクライナやイスラエル向け支援などに関する支出が膨らんだことが、想定赤字額の増加につながった。

財政赤字はコロナ関連の支出が落ち着いた22年度に相当縮小したが、今回の見通し通りならば23年度、24年度と2年連続で大きく拡大する。

CBOによると、25年度の財政赤字も一段と増えて1兆9380億ドルに上る。

25─34年度の想定累積財政赤字と34年末時点の公的債務の対国内総生産(GDP)比は22兆0830億ドルと122%で、やはり2月時点から上方修正された。

大統領選の共和党候補指名が確実なトランプ前大統領は、17年に議会で可決されて25年に期限を迎える所得減税の恒久化を提案しており、税制の専門家によると、これが現実化すれば向こう10年の財政赤字はさらに4兆ドル上積みされるという。

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