「被災者の暮らしに大切な文化やコミュニティー復旧を」国連防災機関長が被災地視察

国連の防災機関のトップ、カマル・キショー機関長が、20日、能登半島地震の被災地を視察し、「復興に向けた取り組みは素晴らしく、国連としても共有していきたい」と語りました。

国連防災機関長のカマル・キショー氏は、輪島市や珠洲市などを視察しました。

このうち大規模な火災が発生した輪島市の朝市通り周辺では、6月から始まった自治体が所有者に代わって建物の解体・撤去を行う公費解体の様子を確認しました。

また、白米千枚田近くの国道249号では、隆起して広がった海岸に整備された仮の道路の通行状況などを視察しました。

国連防災機関長 カマル・キショー氏「地震前よりも良い状態に復旧することが求められる。目に見えるものだけでなく、被災者の暮らしにとって大切な文化やコミュニティーも復旧しなければならない」

キショー氏は、さらに「耐震基準の違いによって被害に差が出ていることから、震災のたびに制度の改善を図ってきた日本の対応を高く評価し、世界に広めるべきだ」と訴えました。

国連防災機関(UNDRR)…国連組織の防災担当部局。スイス・ジュネーブを本部として2000年に発足。防災に関する国際的な指針の実施推進を行うほか、国際協力の枠組み構築、調整などに取り組んでいる。日本には神戸に事務所がある。

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