ソフトバンク野村大樹、ウエスタン阪神戦で3長打 「ホントに頑張っていかないと」 2軍でもハイレベルすぎる競争が激化

1回1死一、二塁、2点適時二塁打を放つ野村大(撮影・永田浩)

ソフトバンクの〝柳田不在枠争奪戦〟が、まさしくヒートアップしている。20日のウエスタン・阪神戦(鳴尾浜)で、6年目の野村大樹内野手(23)が「6番右翼」で先発出場すると、1回に右中間へタイムリー二塁打、3回は左中間突破の二塁打、さらに5回にも右中間突破の三塁打と、3安打すべてが長打という豪打ぶりを見せつけ「右中間に出ているんで、これを続けていけるようにやりたいです」。

▼第1打席のタイムリー二塁打▼

身長1メートル71と、この世界では小柄と称されるサイズだが、早実高時代には高校通算68本塁打をマークするなど、そのパンチ力には定評がある。ウエスタン・リーグでも今月3日の時点で、リーグ9位の打率2割7分。その好調さを買われ、同4日に今季初の1軍昇格を果たしたものの、代打での2打席でヒットが出ずに同7日に再び2軍降格となっていた。

▼第2打席の二塁打▼

「そこでチャンスをつかめるかどうかだと思うんで、そこは逃さないように、つかんでいきたいなと思っています。ホントに頑張っていかないといけない」

危機感は、もちろんある。2歳年下の後輩・笹川吉康が交流戦中にプロ初安打、初本塁打を放ち、自信をつけて再び、2軍へ戻ってきた。今回、リーグ戦再開に際して、1軍昇格したのは川村友斗と正木智也。他にも、この日の阪神戦で2安打を放った渡邉陸、2安打1盗塁の井上朋也、同じく2安打1盗塁の谷川原健太、この日は出番のなかった砂川リチャード、育成5年目で、この日は5番に入って左前へ先制の2点タイムリーを放った石塚綜一郎ら、1軍昇格の機会をうかがうライバルたちがそれこそひしめき合っている。

▼第3打席の三塁打▼

「結果を残せるように2軍でやっていきたい。焦る、というよりは、自分のバッティングをいつでも出せるようにやっています」と再チャンスの時を信じ、この日も右へ左へと長打3本。「あれくらいのバッティングができれば次につながっていくだろうし、あれくらいやっていかないとね。やっぱり1軍を目指しているわけなんで」と松山秀明2軍監督は、あえて厳しい言葉を野村大に投げかけるのも、期待の高さゆえだろう。

「これを1軍でも出せたら…。今はいい感じなので、これを継続してやっていきたいなと思います」という野村大の〝揺るがぬ決意〟が、実る日が来ると信じたい。

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