永瀬廉「見ていただいたら僕の言ってる意味がわかる」初出演 Netflix映画での“推しシーン”とは

18日(火)にNetflix映画『余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。』の配信記念イベントが行われた。主演の永瀬廉をはじめ出口夏希、三木孝浩監督が登壇し、撮影の裏側や映画内での“推しシーン”を明かした。

原作は、新人作家・森田碧のデビュー作で2021年に発売されるとSNSを中心に「号泣必須!」と話題になった『余命一年と宣告された僕が、余命半年の君と出会った話。』(ポプラ社 刊)。現在『よめぼくシリーズ』として6冊にわたって刊行され、シリーズ累計50万部を突破中の大ベストセラー。

主人公で余命一年の宣告を受ける・早坂秋人を演じるのは、Netflix作品初参加となり俳優としても活躍している永瀬廉(King & Prince)。ヒロインで余命半年の少女・桜井春奈を演じるのはドラマや映画に引っ張りだこの出口夏希。そして、監督には『ソラニン』『今夜、世界からこの恋が消えても』などの恋愛映画を世に送り出してきた三木孝浩が務める。

予告映像が流れた後、永瀬、出口、三木監督が登壇しイベントはスタート。主演の永瀬は「足元の悪い中お集まりいただきありがとうございます。ついに配信の日が近づいてきたということで、まだ正直そこまで実感はないんですけど、配信した後の見てくださった方々の感動やったり、どういう気持ちになったかっていうのをすごい聞くのが楽しみ。今日の、この会を経てワクワクっていう感情が高まっているのを感じております」と第一声から報道陣を気遣う優しさを見せた。監督を務めた三木は「普段だと配信とか公開が近づいてくると不安になっちゃう方…。今回、本当に永瀬さんと出口さんの2人の空気感が本当に素敵で、撮っている最中も2人の空気に引っ張られて素敵な画がいっぱい撮れたなっていう印象だったので、できた作品をむしろ今は、みなさんに早く見ていただきたいなという気持ちでいっぱいです」と完成した作品への期待値の高さを語った。これに対し永瀬も「わかる!早く見てほしい。待ちきれない!」とワクワクした様子で共感した。

映画作品での王道ラブストーリー作品が初めてという永瀬だったが「初めてにしては気負わず、自分らしく現場で過ごせたなと」とリラックスできた様子を語り、また自分が出演している作品を見る際は緊張するのか聞かれると「緊張というか…。“ここのシーンどんな感じになったかな?”って。作品として楽しむっていうのは今まで、できなかったんですけど今回は、もちろんそういう目で見つつも、ちょっとグッとくるようなシーンとかは自然と物語を見てしまって、涙を流してしまったっていうのはあった。結構そこに関しては今までなかった出来事なので自分でも驚いた」とコメント。

そんな永瀬の印象を三木監督は「最初パブリックイメージでは、ちょっとクールでミステリアスな空気なのかな?と。でも、本当に気さくで話しやすくて持ってる空気感とかもすごく親しみがあって。一緒にできたら絶対面白いものができるなと、最初の顔合わせのときに感じた」と永瀬の人柄を称賛。

作品を見て出口は「すごい悲しいはずのお話なのに、実際に出来上がったものを見て“春奈幸せだったんだろうな”とか。悲しいはずなのに、見終わった後にすごい前向きになれたというか。悲しいだけじゃなくて心があったまったなって」とゆっくりかみ締めるように作品への感想を語った。

そんな出口のように事前に行われた試写会では「今まで見た映画で一番泣きました」や「期限付きの恋に胸が締め付けられたけれど、2人がずっと幸せそうでラストは前向きな気持ちになれました」という感想が続出。この感想に対して永瀬は「本当に生きていることって素晴らしい。当たり前じゃないし、誰しもがそういう直面に瀕(ひん)する可能性ってあるわけで。だからこそ、そういう経験がない人でも春奈と秋人の姿を見て、今の幸せの状態をかみ締めつつ、これからも大事な人とどう接していこう、どう生きていこうとか先のことを考えられるような作品」と静かに熱い思いを伝えた。

直後に三木監督が「最初に企画をもらって、原作を読んだ印象がまさにそれ(ラストは前向きな気持ち)。春奈と秋人がかわいそうじゃなくてうらやましいって思えた」とコメントすると「あー…」となぜだか悔しがる永瀬。そんな永瀬を横目に三木監督が「映画の中で2人にも空気感で演じてほしいなって言いました」と締めると、永瀬が「言われたー…。“かわいそうじゃなくてうらやましい”めっちゃ良いワード。俺が言いたかった…。盗むことになる」と落ち込む様子に会場からは笑いが。永瀬を見て笑いながら三木監督が「もう一回言っていいよ」と優しく声をかけると永瀬は「もう一回改めて言うんですか!?」と驚きつつも「改めてこの作品っていうのは、2人がかわいそうとかいうんじゃなくて…」と話し出した瞬間に出口が「うらやましいな!」とテンポ良く展開しチームの仲の良さを見せつけた。

「俺が言いたかった…」と悔しがる永瀬廉

印象的なシーンについては「秋人と春奈が出会ったきっかけが絵じゃないですか(笑)」と思い出し笑いをしながら切り出した出口。「秋人くんに“私の似顔絵を描いてって”お願いするシーンがあった。その絵を見て涙するっていう本当に素敵なシーンだった。秋人くんじゃなくて永瀬さんが描いた絵は映ってないんですけど…すっごいなかなかの個性的な絵を描かれていて(笑)今でもその絵を覚えてます!…ピカソでした」と撮影の裏側を暴露。

永瀬は動揺することなく「僕は至って本気で。映ってないシーンで真剣に僕もフリーで描くんですけど…(笑)目から描くんですけど、黒目の焦点が合わなくて(笑)ホラー目な絵に近づいてしまって…。本編で使われてたら涙は引っ込むでしょうねぐらいの絵」と自虐するも、「偉大な画家さんもそうですけど、アートって死後に評価されるものだと思うので。今はまだ評価されてなくてもいいのかなと思ってる。個性が大事」と自信満々にコメント。

イベントの中盤では各自の推しシーンを紹介。

■永瀬廉 … 花火ですね。物語の中盤あたりのシーン

ある理由でお互いがすれ違って、そこに出てくる重要なものとして花火がある。見ていただいたら僕の言ってる意味がわかる。お互いを思うからこそのすれ違い。そこの切なさにグッときた。

■出口夏希 … 綾ちゃん(三浦綾香 演:横田真悠)とずっと疎遠になっていて久しぶりに再会したシーン

秋人と春奈のお話でもあるけど友情もテーマ。秋人くんの優しさと一人一人の思いが詰まっていて、3人のシーンが本当に愛(いと)おしくて。注目していただきたいなと思って再会したシーンを選びました。

■三木孝浩監督 …病室で秋人が春奈の絵を描いているシーン

2人の空気がすごく良くて。最後まで撮るつもりじゃなかった。春奈の表情を撮っているうちに感情が溢(あふ)れてきちゃって、僕がカットをかけれなくて…。モニターを見ていたスタッフ全員泣いていた。秋人の反応した涙もすごく素敵で。ここがこの映画の中で大事にしていたシーン。このシーンを楽しみに見ていただければ。

そう撮影スタッフまでもが、涙したシーンが紹介された永瀬は「(セリフの)言い方とかは強くないんですけど、言葉が強く入ってきて。気づいたら(涙が)流れちゃってたシーン」と撮影時の思いを語ったが直後に「ただ、ここの裏側に描かれているのはとんでもない絵です」と先ほど暴露された自信の絵について自虐し、会場を笑わせた。

最後に永瀬は「いよいよ我々が心を込めて作った『余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。』という作品が全世界で配信されます。命の物語、恋の物語っていうのは全世界、全世代共通のテーマでもあります。2人が出会って、お互いタイムリミットがある中で、どう必死にお互いのために自分の中の心を燃やして、どういう行動に移していくのか、その姿に胸打たれたり、友情も丁寧に繊細に描かれています。一つ一つのシーンが一つの絵のようなカット。見ている人の心をいろんな気持ちにさせてくれたり、動かしたりできる作品だと思っています6月27日からぜひ見ていただけると幸いです」と作品への思いを込めて力強く語った。フォトセッションでは、ヒールで階段を昇り降りする出口の足元を気遣う姿や大きく口を開けて笑う元気な姿を見せた。

Netflix映画『余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。』は6月27日(木)よりNetflixにて世界独占配信。

写真:©︎entax

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