日本ドローンビジネスサポート協会とDrone Partner’s、能登地震被災地でドローン物資輸送を実施

by ドローンジャーナル編集部

2024年6月12日、日本ドローンビジネスサポート協会とDrone Partner'sは、被災企業の要請により能登半島地震で孤立した事業所へ物資輸送を行った。

土砂崩れで車の往来ができない地域に、1日で15往復、総重量300kgの物資をドローンを使って空輸した。

荷物を吊り下げて山中を飛行するドローン

Drone Partner'sは、能登半島地震で道路が寸断された企業から、事業所復旧に必要な物資のドローン運搬業務を受託。石川県珠洲市の山中において、事業所に最も近い山道を離着陸地点として設定し、輸送を行った。物資輸送地点は離着陸地点より直線距離で約2km、標高差約200m。機体は「DJI FlyCart30」を使用した。

事前に現地を調査し、テストフライトを行って飛行エリアを3D化。電波状況などを考慮したうえで安全な飛行ルートを設計。玉掛け(クレーンフックに荷を掛けたり外したりする作業)資格保有者が中心となり、輸送する物資の大きさや重さにより重量中心点を考慮したうえでパッキングした。1フライトの最大重量は25kg。

ウインチを使用してドローンをホバリングさせたまま物資を地上に降下。あわせて、空輸に使用したスリング・ウインチバッグなどを送り返した。ドローンパイロットは離着陸地点と荷受け地点の2か所(2パイロット)で機体を操縦した。

1フライトあたり25kg未満で13フライトを行い、追加で1フライト目に荷受け側で使用する資材、12フライト目で弁当を配達した。輸送した物資は合計約300kg、最大重量物は約20kg。

土砂が崩れた山肌の画像
ブリーフィングの様子

離着陸地点と荷受け側のスタッフはそれぞれ7名。荷受け側のスタッフは、山崩れ現場を約3kmを登って現場に移動した。

運航管理には「DJI DeliveryHub」を使用。岡山の事務所からも監視を行い、注意点があれば逐一指示を出す体制で運用を行った。

荷受け地点に向かう様子山道を歩くスタッフ
‌DJI DeliveryHubの表示画面。ドローンのカメラからの様子。
荷物を吊り下げて飛行するドローン

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