NBAの新星エドワーズを取り巻く“期待”と“不安”の声。「ケガをした選手はあとを絶たない。特にハイフライヤーは」と関係者が指摘<DUNKSHOOT>

ミネソタ・ティンバーウルブズのアンソニー・エドワーズはNBA4年目の今季、自身の活躍とチームの上昇によって、“神様”マイケル・ジョーダンと比較されることが増えた。一方で、殿堂入り選手シャキール・オニール(シャック)の元代理人が、“消えた有望株”となることを懸念している。

エドワーズはジョージア大で1年を過ごし、アーリーエントリーした2020年のドラフトで全体1位指名を受けてウルブズ入り。新人王こそラメロ・ボール(シャーロット・ホーネッツ)に譲ったが、2年目に平均21.3点の成績を残すと、3年目の昨季は平均24.6点と数字を伸ばしてオールスター初出場を果たした。

今季はレギュラーシーズン79試合に出場してリーグ12位の平均25.9点、5.4リバウンド、5.1アシストの成績でオールNBA2ndチームに選出。ウルブズの第3シード獲得の牽引役となった。プレーオフではファイナル進出こそならなかったものの、16試合で平均27.6点、7.0リバウンド、6.5アシスト、1.50スティール、3ポイント成功率40.0%と堂々たる数字を残し、チームを20年ぶりとなるカンファレンス決勝に導いた。

まだ4年目を終えたばかりの22歳は、NBA史上最多となる10度の得点王に輝くなど、バスケットボールの神様と称されるジョーダンとも比較されるが、本人は乗り気ではなく、「彼は史上最高だ。俺と彼を比較することはできない」と謙虚な姿勢を示す。『ESPN』のマリカ・アンドリューズ記者とのインタビューでは、「“ネクスト・マイケル・ジョーダン”ではなく、“最初のアンソニー・エドワーズ”として認識してほしい」とも語った。
そんななか、シャックの元代理人であり、『シャック・ブランド』の立ち上げに携わったレオナルド・アルマート氏は『Essentially Sports』のインタビューで、「ジョーダンと比べたい人は比べればいい。エドワーズは『彼は唯一無二の存在で、最大限に尊敬している』と言うだけでいい。彼は若くて、爆発的で、見ていて信じられないほど楽しい、ある種違ったタイプの男だと思う」と見解を述べた。

「エドワーズのキャリアがどのようになっていくか興味深い。彼はまだ目指す姿には辿り着いていない。辛抱し、健康をキープできれば、素晴らしいキャリアを送ることができるだろう」

そう語った一方で、「でも(今後がどうなるかは)わからない。グリフィンを見てほしい。彼はモンスターのようだったが、ケガをして弱体化してしまった」とも付け加えた。

アルマート氏が例に挙げたのは、圧倒的な跳躍力を誇り将来を嘱望されながら、度重なるヒザの故障でキャリア終盤はロールプレーヤーとなり、今年4月に引退を表明したブレイク・グリフィン(元ロサンゼルス・クリッパーズほか)だ。

「ケガをした選手はあとを絶たない。特にハイフライヤー(高く跳ぶ選手)はね。エドワーズのプレーには危険な恐ろしさもあり、大丈夫か心配で仕方がない。だから、今後の成長を見届けよう。確かに見ていて楽しいし、カリスマ性がある。少し目立ちたがり屋のところがあるけど、同時にいい心を持った青年だ。みんなに好かれている」

エドワーズが来季以降、どのような成長曲線を描いていくのか。興味深く見守りたい。

構成●ダンクシュート編集部

© 日本スポーツ企画出版社