ダム水位 1メートル下げて運用スタート…豪雨に備え 貯水量 8パーセント分をさらに確保 白岩川ダム緊急放流から間もなく1年 富山・立山町

富山県立山町の白岩川ダムは21日から、ダムの水位を1メートル下げる運用を始めました。去年6月の記録的な豪雨で緊急放流を行い、下流域に浸水被害が出ため運用ルールを変更したのです。

富山県が管理する立山町の白岩川ダムは、水害が起きやすい時期に入ったとして6月21日から9月までの間、ダムの水位を1メートル下げる運用を開始しました。

ダム管理事務所によりますと、水位を下げる放流は20日午前10時から始まり、午後3時半に規定の水位にしたということです。

水位を1メートル下げることでダムの貯水量は全体の8%に当たる10万立方メートル増えるため、大雨で水の流入量が増えても住民が避難する時間を稼ぐ効果があると期待されてます。

白岩川ダム管理事務所 宮川義充所長:「緊急放流が絶対これからないというふうなことはないと思いますので、皆さんも防災意識を高めていただいて、ハザードマップ等で避難経路の確認等お願いしたいと思っております」

白岩川ダムでは去年6月、記録的な豪雨で貯水量が急激に増えたため、緊急放流を実施。住民に危険を知らせるサイレンと放流の開始がほぼ同時となり、下流域では住宅や農地への浸水被害が相次ぎました。

毛田千代丸キャスター:「浸水被害があった白岩地区です。あたり一面が田んぼだったこの場所では今、土砂の撤去作業が行われています」

立山町では今年4月からおよそ3・3ヘクタールの田んぼの復旧工事に取り組んでいて、年内の完了を目指しています。緊急放流から間もなく1年。今年はコメの作づけはできませんでしたが、地元住民は来年の農地復活に期待を寄せています。

コメ農家の女性:「水田しないでくださいってことなんで、そのままになっております。収入の面ではそれは当然困りますね。息子が(米づくりを)やるって言えば頑張ろうかなとは思ってます」

男性:「仮に3年も4年も(作付けが)できんかったらもうやめたって感じになってしまうから。早くちゃんと復旧してもらえればそれでいいですけど」

白岩川ダムのほか、去年緊急放流を行った砺波市の和田川ダムも水位を下げた運用を9月まで行います。

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