必然だったリーグ戦再開初戦の白星 ソフトバンク小久保監督の采配に見て取れた次の区切りまでの「見立て」

ロッテに勝利し、観客にあいさつする小久保監督(撮影・穴井友梨)

◆ソフトバンク9―4ロッテ(21日、北九州)

シーズン序盤の区切りとされる交流戦は優勝こそ楽天に譲ったが、12勝6敗の2位で終えた。小久保監督は「(勝敗は)最低5割というところでやってきた」と振り返っていたが、六つの貯金を蓄えたことで2位以下に9ゲームもの大差をつけて、この日のリーグ戦再開を迎えた。

ここから次の「区切り」という見方でいけば、7月23、24日に予定される球宴までとなるのだろう。その間ホークスは24試合を戦う。2位との差を考えると、それこそ小久保監督ではないが「勝率5割」で乗り切れば後半戦も優位にシーズンを進められるはずだ。

では、小久保監督の見立てはどうか。試合前に聞くと「計算(星勘定)はしない。というより、計算なんかできない。とにかく一つずつ。隙を見せずに戦う」と答えてくれた。現状に満足などしない姿勢が、いかにも己に厳しい指揮官らしい。

その思いは、この日の采配からも見て取れた。4点リードで迎えた5、8回はともに先頭が出塁すると、次打者に犠打を指示。5回は無得点に終わったが、8回は今宮が結果的に四球を選び、ダメ押しの2得点につなげた。

また、直前の8回の守りでは4点リードの状況でセットアッパー松本裕を投入した。隙のない差配、用兵に徹したからこそ、リーグ戦再開白星発進も必然だった。(石田泰隆)

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