ヤクルト 東京ドーム4連勝 吉村が自己最長7回1/3無失点

 5勝目を挙げ、つば九郎(右)に祝福される吉村(撮影・佐藤厚)

 「巨人2-4ヤクルト」(21日、東京ドーム)

 はにかみながら、ヤクルト・吉村がにっこりと笑った。満足とは言い切れなかったが、粘り抜いた114球。「最後は投げきれずに大西が抑えてくれたので」。“開幕投手”としてつかんだ白星は仲間がいてこそつかめたものだ。

 初回に無死二塁を背負うも後続をピシャリと封じ、吉村は勢いづいた。「序盤は無駄なボールが多かった」と中盤にかけて修正し、自己最長の七回を超えてマウンドへ。八回は1死から2四球で無念の降板となり「最後までいけなくて悔しい」。試合後最初に言葉になった反省が、次戦以降への力、糧になる。

 交流戦に引き続き、任されたのは2度目の大役だった。だが、5月28日のロッテ戦では5回持たずの5失点。そこから3週連続で週頭を投げるも、いずれも勝ち星に恵まれなかった。高津監督も「ちょっと荷が重いかな」と心を痛めながら、成長を願って鬼になった。

 「これから彼らの世代がスワローズの投手陣を引っ張っていかなきゃいけない。あえてそういうところを任せています」。重責を乗り越え、指揮官の思いに力投で応えてみせた5勝目。敵地負けなしの4連勝に導いた。

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