新幹線全線フル規格へ意欲 長崎ルートでJR九州・古宮社長 株主総会

JR九州の株主総会で発言する古宮洋二社長=21日午前、福岡市

 JR九州は21日、福岡市内で株主総会を開き、古宮洋二社長は九州新幹線長崎ルート全線フル規格化について「(武雄温泉での)対面乗り換えがベストとは思っていない。できる限り早く(未着工区間の)新鳥栖から武雄温泉までつながるよう関係者と議論を重ね実現に向け頑張りたい」と改めて意欲を示した。
 整備方式を巡る佐賀県と国の「幅広い協議」などに進展がなく、株主から「このまま膠着(こうちゃく)状態が続き解決しないのではないかと心配している。打開するにはJR九州が先頭に立ち、唐津線の強化など佐賀県との共存共栄策が必要」との意見が出た。これに対し古宮社長は、5月の長崎、佐賀両県知事との意見交換を振り返り、「そこで分かったそれぞれの課題をどう解決していくかが今後の大きなテーマ」として全線フル規格化への決意を述べた。
 最終年度を迎えた中期経営計画の達成にも意欲を見せた。三つの重点戦略のうち「豊かなまちづくりモデルの創造」では、西九州エリアの起爆剤として西九州新幹線(武雄温泉-長崎)を駅ビルや自治体と連携し利用を促進するとしている。

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