中心市街地のスーパー跡地をイベント広場に 第3セクター・まちづくり会津が構想 福島県会津若松市

イベント広場としての利活用構想が浮上しているスーパー跡地

 福島県会津若松市の神明通りに面する大型スーパーの跡地約2500平方メートルをイベント広場として利活用する構想が浮上している。市出資の第3セクター・まちづくり会津が中心となり、地権者との間で交渉を進めている。2020(令和2)年秋にスーパーが閉店して以降、市街地の空洞化や地価下落が危惧されており、新たな人の流れを呼び込みたい考えだ。

 跡地は現在、砂利敷きの空き地となっている。まちづくり会津は敷地の一部を取得したほか、他の地権者との間で賃貸借に向けた準備に着手した。協議がまとまれば、神明通りと野口英世青春通りの双方から出入り可能なスペースを確保できる。

 まちづくり会津は、行政や民間を巻き込んだ実行体制づくりを視野に入れる。早ければ今年の夏から秋にかけて、最初の企画を打ち出したいとしている。

 イベントは幅広い世代層をターゲットに見据える。出店団体を募り、定期的にマルシェや朝市、ビアガーデン、ミニコンサートなどを開催してもらう方針。近隣に住む高齢者の買い物の利便性を高めるため、生鮮食品の売り場を設けることも検討している。

 利活用に動いた理由は、地価下落を受けた危機感だ。2023(令和5)年1月時点の公示地価は、跡地の位置する市内中町の地点がマイナス6.6%。大型店の撤退を背景として、下落率は商業地としては全国ワースト3位、全用途でも全国ワースト8位だった。まちづくり会津社長で会津若松商工会議所の渋川恵男会頭は「神明通りは通勤通学で人の往来自体は少なくない。若い方からアイデアを募りながら、にぎわいを生みだしたい」と話した。

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