【スペインGP】角田裕毅、FP2は16番手止まりで「難しい1日だった」…アップデートは「機能していた」もののロングラン中には不満を吐露

F1第10戦のスペイン・グランプリが開幕し、6月21日には2度のフリー走行(FP1、FP2)が実施されている。

2週間前のカナダGPでは終盤の単独スピンで入賞を逃した(14位)ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅だが、今季の好調ぶりを維持して今季6度目の入賞を目指して臨んだこの3連戦の初戦、チームが大幅な空力面でのアップデートを施したこともあり、初日からいかなるパフォーマンスを発揮するかが注目された。

しかし、FP1では21周回でベストタイムは全体最下位となる1分15秒916に止まり、ガレージで調整を続ける時間も長くなった。続くFP2ではチームメイトのダニエル・リカルド(1分14秒257で16番手)を上回ったものの、31周回で1分14秒211(15番手)と、これまでの週末に比べると低調な出だしとなっている。

チームの公式サイト等から発表されたプレスリリースでの角田のコメントは、「今日はこれまでより難しい1日でした。ペースは期待していたほどでなかったので、何が不足しているのかを調べて、明日には改善できればと思います。アップデートは期待通りに機能していますが、望んでいる場所にはまだ到達しておらず、通常のペースには及んでいません。したがって、今日見逃していた点を見つけるために、全てのデータを見直します」というネガティブなものだった。

メディアでのインタビューでも、彼は「修正は簡単ではないけども、何とかしなければなりません」と語っているが、RBのレーシングディレクター、アラン・パーメインも「今日は我々にとって、決して順調な1日ではなかった。FP1は少しばかり不安定なセッションとなり、ユウキの車には冷却システムの問題が発生して修理に時間がかかり、走行時間が減ってしまった」と振り返り、以下のように続けている。

「また新しいリアウイングのDRSに問題が生じたことで、FP1の残り時間では安全のためにそれを閉じたまま走行することになり、それでラップタイムが大幅に遅くなった。正しい条件で走行できず、車のバランスを完全に感じ取ることはできなかった。FPではセットアップを調整してリアエンドを安定させようとしたが、両ドライバーともに車に完全には満足していなかった」
角田同様、パーメインRDも「アップデートによる数値には満足している」とポジティブな点も挙げているが、各国専門メディアの見解は厳しいもので、ブラジルのF1専門サイト『F1MANIA』は「RBの難しい金曜日」と彼らの初日を表現し、オランダのF1専門サイト『RN365』はFP2ではトップから16番手までが1秒以内と僅差だったことを伝えながらも、「RBはかなりのアップデートが施されたにもかかわらず、ここまでのパフォーマンスは期待を下回ったと言わざるを得ない」と綴った。
続いてフランスのモータースポーツ専門サイト『NEXTGEN-AUTO』は、「角田はスペインでの初日を終えて15番手。このRBの日本人ドライバーは、自チームのパフォーマンスに非常に不安を感じており、中団チームと競り合うレベルに達していないことを非常に心配している」と指摘している。

最後に、英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は、「RBは期待外れの15番手と16番手に終わり、角田はチームメイトよりわずかに速いタイムを記録したが、ロングラン中には『フロントのアンダーローテーションが酷い』と不満を漏らした」と、足回りに問題を抱えていたことを伝えた。

構成●THE DIGEST編集部

© 日本スポーツ企画出版社