佐藤氏、6選出馬へ 今秋予定の宇都宮市長選 知事と共同歩調、選挙戦確実に

佐藤栄一氏

 11月27日に任期満了を迎える宇都宮市長選で、現職の佐藤栄一(さとうえいいち)氏(62)が6選を目指し立候補する方向で調整に入ったことが22日までに、関係者への取材で分かった。今月中に後援会の緊急会合を開き、具体的な対応を協議するもようだ。次世代型路面電車(LRT)のJR宇都宮駅西側延伸など今後本格化する大型事業に引き続き取り組むことが重要と判断したとみられる。初当選時から同日程の選挙で共に戦ってきた福田富一(ふくだとみかず)知事も6選出馬を正式表明したばかりで、足並みをそろえる構えだ。市長選を巡っては市出身で元茨城県つくば市副市長の毛塚幹人(けづかみきと)氏(33)が立候補を表明しており、選挙戦が確実になった。

 佐藤市長は進退について、21日の後援会会合で「周囲の意見を聞いてから結論を出したい」と述べるなど、これまで具体的な言及を避けてきた。同日に6選出馬を正式表明した福田知事は「福田、佐藤で県都のまちづくりをさせてもらいたい」と佐藤氏の続投を熱望しており、共同歩調を取るとみられる。

 宇都宮市などが進めるLRT事業は同駅西側への延伸に向け、停留場やトランジットセンターの設置場所、バス再編など具体的な検討に入っている。市は2025年度にも軌道建設に必要な特許申請を行う方針。このほか同駅西口周辺整備や児童相談所設置など重要事業が控えていることから、現市政の継続が必要と判断したもようだ。

 佐藤市長は04年の市長選に43歳で初当選し、現在5期目。市長就任後の4回の選挙では、いずれも市議会一般質問で立候補を表明してきた。

 一方、毛塚氏は11日の記者会見で無所属での立候補を表明した。「新たな発想と新しいリーダーが必要」と訴え、LRTを軸にしたまちづくり、東京オフィスの強化、市民との対話会の定期開催、女性副市長の公募などを打ち出している。

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