東京Vはなぜリーグ戦で連敗しないのか。城福監督が語ったチームマネジメントとは? 「100点満点を要求するのではなく…」

[J1第19節]東京V 1-0 名古屋/6月22日/味の素スタジアム

6月22日に行なわれたJ1第19節で、東京ヴェルディは名古屋グランパスと味の素スタジアムで対戦。52分に翁長聖のゴールで先制した東京Vは、終盤に名古屋の猛攻を受けるが、GKマテウスの好セーブなどで凌ぎ切り、1-0で勝利した。

試合後、東京Vの城福浩監督は「味スタでサポーターと一緒に喜び合えたこと、ラインダンスができたことが本当に良かった」と安堵した表情で振り返った。

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それもそうだろう。前節のアウェーでのサンフレッチェ広島戦は1-4で敗戦し、「差を見せつけられた」(城福監督)。

「前節は完敗して、我々としたらもう一度、自分たちの目ざすものをしっかり確認する作業が必要だった。それを映像なり、トレーニングなりで、みんなで意思統一をして、名古屋対策というよりも、我々が立ち返るところをしっかり共有して今日の試合に臨めたことが、特に前半はプラスに働いた。

前半のような戦いのなかで、できれば得点を取りたかったが、名古屋という大きなクラブを相手に臆することなく、我々のサッカーを表現できて、最終的に勝点3を取れたのは自信になる」

15節のFC町田ゼルビア戦を0-5で落とした東京Vは、翌節のヴィッセル神戸戦を1-0で勝利。前節の広島戦も完敗だったが、今節を1-0でモノにしている。大差で負けたあとは、その悪い流れを引きずってしまうケースもあるだろうが、東京Vは見事に立て直し、リーグ戦ではまだ連敗をしていない。

どのようにマネジメントして勝利に導いているのか。城福監督は「大敗という言い方が良いかどうかは分からないが」としつつ、こう続けた。

「やっぱり選手も、その時に問題が絞り切れないところがあるなかで、スタッフと話し合って、特に負けたあとは問題点をかなり削ぎ落として、10個言いたいところをひとつかふたつにしている。

それが正解ならずっと連勝しているんだろうけど、まだ足りないところがあるから大敗することもある。彼らはまだ成長過程にある選手たちなので、100点満点を要求するのではなく、我々が目ざすもののどれかにフォーカスして取り組ませることを心掛けている」

チームが連敗しない理由のひとつに、指揮官とスタッフの巧みなチームマネジメントがあった。

取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

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