カネミ油症 次世代の自覚症状注視を 福岡で3者協議、患者側が要望 

被害者団体(右列)と国(左列)、カネミ倉庫の担当者が出席した3者協議=福岡市内

 カネミ油症の被害者団体と国、原因企業カネミ倉庫(北九州市)による3者協議が22日、福岡市内であった。患者側は、油症認定に直結する診断基準の一つ、ダイオキシン類の血中濃度は経年で減少することなどを踏まえ、未認定患者や、認定患者の子や孫ら次世代の認定診査では特に自覚症状に注視するよう国に要望。次世代は親(患者)と同じ症状を抱える傾向があるとし「親と同様の症状の出現頻度、パターンを積み上げ、認定につなげてほしい」とも訴えた。
 厚労省側は「必ずしも血中濃度だけにフォーカスしているわけではない。引き続き全国油症治療研究班(事務局・九州大)とコミュニケーションを取っていく」と述べるにとどめた。
 次世代救済に向けた診断基準改定に関連し、患者側は改定の際の手順を質問。厚労省側は、同研究班が現基準を再評価する委員会を組織し、まとめた意見を厚労省に報告、改定が行われるとプロセスを説明した。
 前回の3者協議では認定の可否を判断する診定委員会委員との意見交換会を患者側が求めていた。厚労省側は改めて場の設定を検討するとし、「目的や患者側の想定メンバーを明確に教えてほしい」と要請した。

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