捨て身の4バック不発、札幌が横浜FMに敗れ5連敗。ミシャ「選手たちを非難できない」、残留圏の鳥栖まで6ポイント差に開く

終盤はパワープレー選択、逆に自ら流れを断つ。

[J1 19節] 札幌 0-1 横浜FM/2024年6月23日14:03/札幌ドーム

J1リーグ19節、横浜F・マリノスがアンデルソン・ロペスのPKによるゴールを守り切り、北海道コンサドーレ札幌に1-0の勝利を収めた。横浜FMは2連勝。一方、札幌はリーグ5連敗で勝点11のまま最下位20位。J1残留圏17位のサガン鳥栖まで6ポイント差に開いた。

札幌は76分にCB家泉怜依を投入して4バックに変更。サイドの仕掛けからチャンスを作り出していった。ところが横浜FMがゴール前をしっかり固めた終盤、札幌はパワープレーを選択。家泉も前線に入ったとはいえ、全体的に明らかに横浜FMが高さと強さで上回り、ボールを跳ね返され続けた。

ペナルティエリア内でもゴールに背中を向けてボールをキープしたり、不要なファウルをしたり、確率の低い強引なシュートを選択したりと、相変わらずチームとしてベクトルをゴールに向けられず。チグハグなまま、2試合連続ノーゴールに終わった。

ミハイロ・ペトロヴィッチ監督は試合後のDAZNのフラッシュインタビューで、「横浜FMのような質の高い相手に勇気を持って前からプレッシングに行ってボールを奪い、チャンスも作れていたと思います。しかし不運な形でPKを与え、0-1で負けてしまいました。素晴らしい戦いをしてくれた選手たちを非難することはできないと思います。最後まで後押ししてくれたサポーターには感謝しています。勝てなかったことに申し訳なく思いますが、選手たちがベストを尽くした結果だと思います」と悔やんだ。

そして4バックへの変更について、次のように意図を語った。

「相手が前線にフレッシュな選手を入れてきたので、私たちもフレッシュな選手を投入しようという意図がありました。また1点リードされていたので、外からのクロスを狙い、セットプレー、シュートでなんとかこじ開けられればと思いました。相手も中に高い選手が揃っていて、そこをこじ開けようとしました」

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そのように最後はなりふり構わずパワープレーを選択した。ただ局面ごとに数的優位を作っていって崩すミシャスタイルの特長が失われ、上島拓巳とエドゥアルドを中心に固める横浜FMの壁を突破できなかった。明らかに自信を失っている鈴木武蔵だが、本来は能力が高いだけに、もっと周囲と協力してゴールを奪うことに集中できれば、状況もたちまち改善されるようにも見えるが……。頑固に結果の出ないパワープレーを選択し続けるのもミシャ末期に見られる症状であるが……果たして。

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