“待ち疲れの大会”…選手たちの過ごし方は? 安田祐香は午前4時起き→スタート6時間遅れに「長く感じますね」

安田祐香はバタバタの日曜日にスコアを伸ばした(撮影:上山敬太)

<アース・モンダミンカップ 4日目◇23日◇カメリアヒルズカントリークラブ(千葉県)◇6688ヤード・パー72>

2日目に行われた第2ラウンド(R)が降雨により中断になったことから、変則的な日程が続いている今大会。本来は最終日になるはずだった日曜日は、当初、午前7時から第3Rの残り、さらに組み替えなしで最終Rが行われる予定だったが、早朝から降り続いた雨の影響でスタートに遅れが発生した。2度の変更で午後1時に競技が始まり、結局、第3Rのみを実施。選手たちは、雨に振り回される一週間を過ごしている。

トータル8アンダーの5位タイで第3Rを終えた安田祐香もそのひとりだ。午前7時のスタートに合わせ、起床は午前4時。そこからアップを行い、練習場に球数制限があるため「いつもよりはゆっくり目の」ラウンド1時間前にはコースに着いていた。しかし練習開始前に、スタートが遅れることになり、一度、ホテルに戻ることにした。

30分ほど睡眠をとり、再びアップを開始。そして、2度目となるコース入りをすると、9番のパー3から競技を再開した。だがグリーン前に池があるこの9番は、3日間通じて難易度1位のホール。「1ホールくらい回ってから行きたかった」と、いきなり緊張感のあるティショットを迎えることになる。

まだ体も動ききらないなか、そのショットは左に外れる。ただ、ここから25ヤードのアプローチを1メートルに寄せてパーをセーブすると、続く10番も3メートルのパーパットを沈めた。「ここが大きかった」という2ホールでなんとかリズムを整え、続く11番で5メートルのバーディパットをねじ込んだ。

指定練習日だった火曜日も大雨でラウンドができず、開幕前からなかなか思い通りにいかない時間を過ごした。「きのう、おとといはなかなか眠れませんでした。長く感じますね。体力よりも、ラフにいくと腕に負担もかかるし、そこも心配です」。そのなかで上位に踏みとどまっているのは、「ミスの幅も減ったし、リカバリーもできているので、それが要因」と話す。

そのうえ月曜日もプレーする“5日間大会”にもなった。女子ツアーで予備日を使うのは、1988年のツアー制度施行後ではこれが4度目で、2021年に烏山城カントリークラブ(栃木県)で開催された「日本女子オープン」以来となる。

2019年11月のプロテストに合格した安田にとって、今大会はコロナ禍真っただ中だった20年にプロデビューを果たした試合でもある。その時も月曜決戦になっており、「同じ大会でそんなことが起こるなんて思わなかった」と驚きの表情も見せる。それでも「(月曜日に)回ると思っていました。きょうはゆっくり寝て備えたい」と心の準備は万全だ。

この他、トータル15アンダーと後続に6打差をつける単独首位の小祝さくらは、前日25ホールを回り、今朝は3時起き。「朝の練習はあくびばかりしてました」と、その様子を話す。スタートが遅れることが決まっても会場にとどまり、足のケアなどを受けて準備を進め、2日間に渡った第3Rを「65」で終えた。

トータル9アンダーの2位タイで最終日に入る藤田さいきも、「一週間が長いですよね。あしたはようやく太陽のなかで18ホールできるので、それは良かった」とヘトヘトの様子。ちなみに藤田は昼寝はせずに、待機時間を過ごしたという。また「待ち疲れはあります」と話す高橋彩華も2位タイで最終日へ。「とにかく寝ました」と心身の疲れを取りながら、上位に踏みとどまっている。

午前7時1分に第2Rが再開した前日も、それが終わると、今度は午後3時から第3Rの1組目がスタート。一日30ホール以上プレーする選手もいれば、何時間もインターバルを挟む選手もいたりと、みな疲労感たっぷりの一日を過ごしていた。選手たちにとって過酷な一週間も、ようやくフィナーレを迎えることになる。(文・間宮輝憲)

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