炎天下の運動会さらば! クーラー効いた体育館に変更したらメリットだらけ…熱中症対策だけじゃなかった、アレもコレも 串木野高「定着させたい」

屋内での学級対抗リレーで盛り上がる会場=いちき串木野市総合体育館

 鹿児島県いちき串木野市の串木野高校は校庭で開催していた体育祭を、2023年度から市総合体育館に切り替えた。同校によると、県内の公立高校の屋内開催は珍しい。熱中症予防などが狙いだが、準備の負担軽減などメリットは多いという。

 同校によると、雨天時に体育館で開いた経験のある教員の提案がきっかけ。熱中症の危険性を考慮し、空調の使える総合体育館を選んだ。屋外では必要だったテントの設営や、備品の土の汚れを拭き取る作業などの負担が減った。雨の心配がないため予備日などに備える必要もなく、日程が決めやすくなった。

 本年度は15日にあり、生徒約120人が玉入れや三人四脚のほか、3年生が企画した大玉を使ったバレーボールなど9種目に汗を流した。綱引きでは、土の付いた用具を持ち込めないため、屋内用に購入した3メートルの綱を中央に7本を並べ、自陣に多く引き込んだ方が勝利するルール。両端から生徒が走ってきて、時に倒れながら激しく引っ張り合った。2階の観客席は保護者らに開放され、声援を送ったり写真を撮ったりしていた。

 1年の前田みゆうさんは「屋内で本当にできるのかなと思っていたが、新鮮で十分楽しめた」と満足そう。体育科主任の角由紀江教諭(46)は「観覧に来る人にとっても安心で、見やすくなった。工夫、改善しながら定着させていきたい」と話した。

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玉入れで競い合う生徒ら=いちき串木野市総合体育館

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