来春開校目指す「ZEN大学」 波佐見町と協定、人材育成に向けて交流 長崎 

協定書に調印した(右から)前川町長、山中代表理事、児玉社長=波佐見町役場

 長崎県東彼波佐見町は21日、日本発のオンライン大学として、来年4月の開校に向け設置認可申請中の「ZEN大学(仮称)」と連携協定を結んだ。学生が将来に向けた実務スキルを身に付ける「地域・企業連携プログラム」に同町が参加。地域の発展や人材育成に向けた交流を進める。
 同大は初年度の入学定員5千人、年間授業料は38万円を予定。デマンド配信の授業をメインに、居住地域、収入などにかかわらず、だれもが大学卒業資格を取得できる学習環境を提供する計画。連携プログラムでは学生が地域に月単位で滞在し、現場に触れることで、情報技術(IT)能力や実践的な学びを深める。
 同大の姉妹校で通信制のN高校(沖縄県うるま市)は2016年から修学旅行で波佐見町を訪れ陶芸実習をしてきた経緯があり、町や準備法人「日本財団ドワンゴ学園準備会」(東京)など4者が締結。同町役場で準備会の山中伸一代表理事、前川芳徳町長、学生を受け入れる同町の陶磁器商社、西海陶器の児玉賢太郎社長が調印した。
 山中代表理事は「学んだことを現場で体験することは重要。新しい時代に対応する人材を輩出したい」。前川町長は「農業など焼き物以外の分野にもテーマを広げ、地域課題の解決や関係人口拡大につながれば」。児玉社長は「学生たちの発想を取り入れ、新しい種をまきたい」と期待を込めた。

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