ブラックボックスと言われているカネミ油症の患者認定について認定を判断する研究者らと被害者が直接話す場が設けられる見通しとなりました。
食用油に化学物質が混入して起きたカネミ油症事件。今年の秋で発覚から56年がたちますが、原因物質のダイオキシン類が未だ体内に残留している人も多く、胎盤や母乳を通して子どもに移行したケースも確認されています。
しかし直接油を食べた人の中にも患者と認められない人が多く、未認定者は1万人を超えるとされています。
22日、福岡市で開かれた三者協議で国は認定の壁になっている《診断基準》の改定について「具体的な動きはない」とする一方、被害者側が求めてきた認定を判断する《診定委員》との懇談を調整する意向を示しました。
カネミ油症被害者全国連絡会 曽我部和弘 世話人会代表:
「何をもって(患者認定を)判断しているのか僕ら分からないので。認定基準を変えないといけないと本当に思っているのか?ダイレクトに聞いてみたい」
長崎県が昨年度、県内在住の未認定者158人を対象に行った独自調査では9割近くの人が何らかの自覚症状を訴え認定者の傾向とも重なっていました。
この結果について厚労省は、現在進める次世代調査と合わせ「何らか検討する余地がある」と発言し、救済に向けた動きの後押しとなるか注目されます。