【タイ】NNAタイ法人、30周年セミナーを開催[経済]

NNAの山鹿社長は「日系企業や現地企業の日々の動きや変化を地道に、そして詳細に伝えるのがNNAタイランドやNNAグループの使命」とあいさつした=21日、タイ・バンコク(NNA撮影)

NNAは21日、タイの首都バンコクでタイ法人設立30周年記念セミナーを開催した。セミナーでは、タイでの労務に関する解説のほか、急速に拡大する電気自動車(EV)市場の見通しについて、専門家が解説した。

セミナーには、在タイの日系企業関係者を中心に約230人が参加。冒頭ではNNAの山鹿秀一社長が「世界経済を揺るがすような出来事を背景に、日系企業や現地企業の日々の動きや変化を地道に、そして詳細に伝えるのがNNAタイランドやNNAグループの使命」とし、「NNAタイランドを含むNNAグループが顧客が求めるものは何かということを常に考え、今後も会員の皆さまとともに歩んで行きたい」とあいさつした。

セミナーの第1部では、TNY国際法律事務所の藤原杯花氏(日本国弁護士)が登壇し、タイの労務に関するポイントを解説。雇用契約や賃金、休暇、定年といった、日系企業が直面しがちな問題について、多くの事例を紹介しながら解説した。

TNY国際法律事務所の藤原弁護士は、タイの労務について解説した=21日、タイ・バンコク(NNA撮影)

第2部では、リブ・コンサルティングのタイ支社の香月義嗣社長がタイのEV市場について、データなどを基に今後の見通しを話した。香月氏はタイでのバッテリー式EV(BEV)の普及について「ここ数年で航続距離や充電時間といった課題をはじめ、さまざまな問題が顕在化しているフェーズ」とし、「2020年代後半にかけて、顕在化された問題への本格的な対処が動き出す」と指摘。30年代前半ごろまでに、「数々の問題が解決されていくことで、EVの価値が改めて評価され、購買層が広がる」との見通しを示した。また、EVの乗用車市場で4割のシェアを持つ中国のBYDの強みや、EVの中古市場の見通しなどについては、リブ・コンサルティングのタイ支社で共同代表を務めるベン氏や、同じくアソシエート・パートナーのミン氏が意見や見通しを披露した。

リブ・コンサルティングの香月氏(写真左)らは、タイのEV市場の見通しについて解説した=21日、タイ・バンコク(NNA撮影)

■タイ語・日本語併記の週刊版も紹介

セミナーでは、NNAタイ法人が今年5月に発売した新商品「The Weekly NNA」タイ語・日本語版についても紹介。「The Daily NNA」タイ版が毎週月曜日から金曜日に配信する日本語のニュースから毎日5本前後をタイ語に翻訳し、翌週の月曜日の朝にメールで配信する新サービスとなる。

PDFは日本語版と、同内容のタイ語版の2つを同時に配信する。在タイ日系企業の現地化が進みタイ人の経営幹部やマネジャーが増えるなか、日本人駐在員による情報共有の手間を省くことを目指して設計された。自動車生産・販売など、NNAの日本語版で定番の産業統計では、本文だけではなくグラフや表もタイ語にすることで、日本人駐在員とタイ人社員が業界の現状や先行きを理解する共通の土台として活用できる商品となる。

基本料金は月額3,000バーツ(約1万3,000円)で、3人まで利用が可能。1人あたり1,000バーツとなる。7月末までの契約はキャンペーン価格となり、最大20%の割引が適用される。

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