ワントップにはフェアプレーに徹したあの偉人が! GS2節終了時点の「ベストイレブン」を英国メディアが選定【EURO2024】

EURO2024はグループステージの最終節に入り、ファーストラウンドの熾烈な戦いが決着して各チームの明暗が分かれている状況だが、欧州中からドイツに集結した優れたタレントたちはここまで、多くの印象的なプレーを幾つも披露している。

その中でチームの勝利を決定づけるような素晴らしい仕事を果たした殊勲者たちを、英国のサッカー専門サイト『Football365』が第2節を終えた段階で「ベストイレブン」として選定。その顔ぶれは以下の通り。

GK:ギオルギ・ママルダシュビリ(ジョージア)
RB:ダニエル・カルバハル(スペイン)
CB:ジャカ・ビヨル(スロベニア)
CB:ペペ(ポルトガル)
LB:マルク・ククレジャ(スペイン)
CM:クリスティアン・エリクセン(デンマーク)
CM:ファビアン・ルイス(スペイン)
RW:ジャマル・ムシアラ(ドイツ)
AM:イルカイ・ギュンドアン(ドイツ)
LW:コディ・ガクポ(オランダ)
CF:クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)
ジョージア守護神のママルダシュビリは、「トルコ戦(1-3)では気迫溢れるパフォーマンスを発揮し、チェコ戦(1-1)では見事なセービングで、ジョージアにとってメジャーイベント初となる勝点獲得を成し遂げるために尽力した」と評価している。

所属クラブのレアル・マドリーでは、チャンピオンズリーグ決勝の最高殊勲者となったカルバハルは、スペイン代表の一員としてもゴールを挙げ、得点力のあるサイドバックとして見る者に感銘を与えた。守備面でも「クロアチア戦(3-0)、イタリア戦(1-0)ともに、決して完璧なプレーを見せたわけではないが、それでも無失点に大いに貢献した」。

スロベニアは最終節で強敵イングランドと対峙するが、同メディアは「イングランドは攻撃の一体感を確立するのに苦労しているが、スロベニアの堅守の前に劇的な変化を起こす希望を抱くことはできない」と予想。そして、その中で今大会最多19回のクリアを記録しているビヨルが「重要な役割を果たす」と綴っている。

大会最年長の41歳ペペは、優秀な若手選手が台頭するポルトガルにおいて、いまだ中心選手に君臨。「ロナウドについては、前線に立つことに違和感を覚えるという意見も少なからずあるが、このCBに対してそのような不満は聞かれない」と称賛する同メディアは、今後強敵を迎えるであろうチームでの活躍に期待を寄せた。

ククレジャといえば左サイドでボールを持った際のプレーに定評があるが、同メディアは「クロアチア戦、イタリア戦ともに重要なプレーを見せるなど、守備面での成長が際立っている」と、新たな面の進化に賛辞を贈っている。 続いて中盤では、セントラルMFの一角にスロベニア戦(1-1)で感動の先制ゴールを挙げたエリクセン。同じく1-1で引き分けたイングランド戦では、中盤を支配するのに貢献し、スタッツもシュート3回、キーパス4回、タックル4回と優秀だった。

もうひと枠にはスペインのファビアンが選ばれ、ルイス・デ・ラ・フエンテ監督の「彼は全てを備え、全てを上手にこなす術を知っている」との賛辞を紹介するとともに、「イタリア戦では、スペインのほぼ完璧な中盤のパフォーマンスを、落ち着いてコントロールした」と評価した。

ウイングでは、右は開幕戦から2戦連続弾のムシアラが、ラミン・ヤマル(スペイン)、フェデリコ・キエーザ(イタリア)を抑えた。同メディアは「対戦相手のレベルを考慮する必要はある」としながらも、この躍動するドイツの背番号10のプレーを「容赦ない残忍さ」と表現して称賛している。

一方の左は、ポーランド戦(2-1)で重要な同点ゴールを挙げたオランダのガクポ。リバプールのアタッカーについては、「初戦では粘り強いプレーを披露し、続くフランス戦(1-1)ではボールに触れる機会は減ったものの、チームの堅実なパフォーマンスにおいて重要な仕事を果たした」と振り返った。
両ウイングの間に位置するMFには、2012年大会以降のメジャーイベントではことごとく悔しい思いをしてきたが「ようやく代表チームの大舞台でも脚光を浴びる瞬間を迎えたのかもしれない」と高評価のギュンドアン。「スコットランド戦(5-1)では混沌と大混乱を相手に与え、ハンガリー戦でも彼を止めようとする相手を苦労させた。その動き、タイミング、決断力は、対戦相手を完全に素人のように見せた」と、同メディアは大絶賛している。

そして最後に、このチームのワントップに君臨するのが、39歳にして史上最多となる6大会出場を果たしたロナウド。前述の通り、その起用に疑問の声が上がっていることを紹介した同メディアだが、相手DFラインを抜け出してGKと1対1となりながらも、ブルーノ・フェルナンデスにゴールを“プレゼント”したトルコ戦(3-0)の3点目に言及し、以下のようにポジティブに評した。

「ロベルト・マルティネス監督は『これがポルトガル・サッカーの真髄を示した瞬間だ。これを世界の全てのアカデミーで見せるべきだ。このアシストは、おそらくどのゴールよりも価値がある』と褒めちぎった。少し大袈裟かもしれないが、これはフェアプレーだ。ポルトガルは非常に良いチームであり、その中でロナウドは依然として彼らのリーダーである」

構成●THE DIGEST編集部

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