陸中弁天虎舞50周年、伝統を次代へ 大槌・赤浜、被災乗り越え

会場を縫うように歩き、大胆な舞を披露する陸中弁天虎舞のメンバー

 大槌町赤浜を拠点にする陸中弁天虎舞は今年、創立50周年の節目を迎えた。東日本大震災津波で仲間3人が犠牲になり、道具も流失したが支援を受けて継続し、現在は約100人が活動。少子高齢化は進むが、独自のスタイルを確立した舞は地域内外の若者を引きつけ、次世代へ伝統をつなぐ決意を新たにしている。

 虎が人々の間を雄々しく縫い歩き、太鼓の上で大胆に舞う。町内のホテルで開かれた記念式典祝賀会。郷土芸能団体の関係者ら約170人が出席し、威勢のいいかけ声とおはやしが響く会場は熱気に包まれた。神楽や鹿子踊など4団体の祝いの演舞も花を添えた。

 1974年に前身の赤浜虎舞が若者6人で結成され、のちに陸中弁天虎舞に改称した。近隣地域の虎舞を参考に伝統の舞のほか、独自に創作披露してきた。

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