新1万円札の「渋沢栄一」七十七銀行との深い縁 銀行本店の資料館は幻の千円札を展示〈仙台〉

新紙幣の発行まであとわずか。新紙幣に選ばれた人物には宮城県と縁がある人もいます。

訪れたのは青葉区の七十七銀行本店。4階にある金融資料館を中に入ると、そこには新1万円に選ばれた渋沢栄一の姿が多く展示されていました。七十七銀行と渋沢栄一の縁とは?

七十七銀行営業企画課 丹羽綾乃さん
「七十七銀行の設立に際して大変ご尽力いただいた方になっておりまして、仕事上の助言ですとか出資だけではなくて、当時、ご自分が頭取を務めていた第一国立銀行から優秀な人材を送り込んでいただいたりですとか、いろんな面でご支援いただいておりました」

1878年の七十七銀行開設に大きく関わった渋沢栄一。このことにより七十七銀行は1878年に当時の東京株式取引所が開設された際、全国の銀行で唯一株式の売買の清算業務が任されるなど重要な役割を担ってきました。

七十七銀行営業企画課 丹羽綾乃さん
「当行の企業理念、行是というものがあるんですけども、その中に『銀行の発展は地域社会の繁栄とともに』という一文があるんですけども、渋沢栄一さんの教えがそちらの一文に生きていると言われております」

また資料館の中にはこんなものも…。

七十七銀行営業企画課 丹羽綾乃さん
「こちらが幻の渋沢栄一札です」

こちらは渋沢栄一、幻の千円札。実は、伊藤博文の千円札が1963年に導入された際、渋沢栄一も最終候補に残っていて、これはその際の試作図案です。諸説ありますが、このとき選出されなかった理由は「ひげ」。当時の技術では偽造防止の観点からひげがあった方が偽造が防げるとの判断に至ったそうです。

七十七銀行営業企画課 丹羽綾乃さん
「やはり当行と深い関わりがある方なので、紙幣の肖像に選ばれたということは本当に銀行としてもうれしく思っている。ぜひ多くの方に銀行の資料館に足を運んでいただきたいなと思っております」

今回の新紙幣が発表された2019年には、前年のおよそ7倍の人が訪れたという金融資料館。七十七銀行は来月からの夏休み期間中に、金融資料館で渋沢栄一に関する親子向けのイベントも開催する予定です。

© 仙台放送