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自宅で孤立出産した男の赤ちゃんを、浴槽に沈めて殺害し遺棄した罪に問われているタイ国籍の女の裁判で、女の母親が法廷で生い立ちを語りました。
タイ国籍のカオピアパニット・ジュン被告25歳は、おととし4月、川崎市中原区の自宅で出産した男の赤ちゃんを浴槽の水に沈めて殺害し、マンションのごみ置き場に遺棄した罪に問われています。
これまでの裁判で被告は「死体遺棄は認めますが、殺人は認めません」と述べ、殺害を否認しています。
25日の裁判では被告人質問が行われ、捜査段階では殺害を自白していたことを検察側が指摘すると、被告は「何かしゃべらなきゃという気持ちで、想像で話しました」と説明。
また、「赤ちゃんを死なせてしまってすごく申し訳ない。 今までいろいろなことに向き合って来られなかったからこうなってしまい、今でもずっといっぱい後悔している」と述べました。
一方、カオピアパニット被告の母親も法廷に立ち、被告の生い立ちを語りました。
3歳の時から母子家庭で2人暮らしになり、「仕事とかでイライラした時もありやつあたりしてたたいたり、『ばか』とか『お前なんかいらない』と言ったこともある」と証言。
母親は被告の父親ではない日本人男性との婚姻関係が続いていたことから、「10歳くらいの時に出生届を出した」と述べ、幼少期の被告が無戸籍だったことを明かしました。
そのため小学校は5年生から入り、いじめを受けたこともあったものの、母親は「知りませんでした。 私のことが怖いから、友達との仲が悪いと私が文句を言うと思ったんじゃないか」と分析。
また、性暴力を受け高校を中退したことや援助交際をしていた時期などがあったものの、当時はいずれも「知らなかった」と述べました。
そして「シングルマザーになったら、とにかく朝から晩まで働かないと生活が続かなかった」と、親子で関わる時間が少なかった当時を振り返りました。
そのうえで「外に出たら、仕事をしてやり直してほしいから、ジュンが一人で悩まないようにサポートしたい」と述べ、被告は終始涙を拭いながら聞いていました。
判決は7月18日に言い渡される予定です。