現役最多犠打職人の初体験「ないですね。バントエラーからの〝ホームラン〟は」 ソフトバンク今宮健太が世にも珍しい本塁生還

6回ソフトバンク無死一塁、犠打をしたソフトバンク・今宮健太(右)は処理したオリックス・曽谷龍平が一塁へ悪送球し、一気に本塁に生還した。左は一走のソフトバンク・周東佑京=京セラドーム大阪(撮影・中田匡峻)

◆オリックス2―7ソフトバンク(25日、京セラドーム大阪)

ソフトバンクの今宮健太内野手(32)が世にも珍しい送りバントからの本塁生還を果たした。犠打に相手失策が絡み、2点を加えた。

ソフトバンク有原航平とオリックス曽谷龍平による投手戦が続く中、1点リドーの6回だった。無死から周東佑京が中前打で出塁。今宮にはベンチから送りバントのサインが出された。

ここまで現役最多の通算380犠打を誇る職人は初球にきっちりと投前に転がした。一塁走者は俊足の周東だったので余裕の犠打成功。「僕はしっかりバントを決めるだけだったので」と一塁に駆け込もうとすると、思わぬ展開が待ち受けていた。

投手の曽谷が一塁へ悪送球。さらにカバーに入った右翼手の森友哉も逆を突かれた形となり、必死に飛び付いたが捕球できなかった。それを見た今宮は一気に二塁方向に加速した。

「(森が)捕っていたらあれ(一塁ストップ)だったので、抜けたのを見てから走り出した。とりあえず一生懸命走りました」。ボールは右翼フェンスまで転々。二塁、三塁と蹴り、滑り込むこともなく本塁を駆け抜けた。

記録は犠打と投手の失策。通算381犠打目は〝2ラン、ランニングホームラン〟の形となった。「(今までも)ないですね。バントエラーからの〝ホームラン〟はないですね。きっちりバントを決められて良かったです」と笑みを浮かべた。(小畑大悟)

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