ドライバーのフルスイングで150ヤードしか飛ばさない “下半身リード”を覚えるのに超効果的だった!

自分ではそのつもりがなくても、ダウンスイングで体が突っ込んでしまうなど、気づかぬうちに起こっている打ち急ぎ。手だけで打ちに行ってしまうため、スライスしやすく飛距離も低下する。「そんな人は、ボールを飛ばさない練習をしてみてください。ただし、テークバックを3秒かけてゆっくりと」と話すのは、かつて世界一にも輝いた宮里藍の父でありコーチの優氏。聞く限り簡単そうだけど、それで打ち急ぎが直せるの?

「やってみると分かりますが、テークバックを超スロー……たっぷり3秒かけてトップまで持っていくのは、想像以上にゆっくり振り上げなくてはなりません。そこからボールを飛ばさないよう150ヤード以内に打つ。ただし、振り幅を小さくしたりして調節するのはNG。フルスイングの振り幅は変えずに、ドライバーで150ヤードを打つのがこの練習のキモです。テークバックだけでなく、スイング全体のスピードを落とし、ビュッと振り下ろすのではなくポッコ~ンと振る必要があります」

ゆっくり振るんだから球に当てるのは簡単だと思ったが、距離の調整をしながらだとすごく難しい。それに、なんだかスイングも窮屈で打ちにくい。

「遅いスピードできっちりインパクトを合わせようとすると、必然的に切り返しもゆっくりしなければなりません。しかし、手だけで振り下ろせばインパクトで詰まってしまい、窮屈なスイングになる。だから、しっかり下半身から切り返し、体の左サイドに抜け道を作ってあげる必要があるのです。腰を切れば振り抜くスペースができるので、手も詰まることなくのびのびスイングできます。つまりこれは、“下半身リード”の感覚をつかむ練習なんです」

なるほど、下半身の動き出しを確認してから手を振り下ろせばいいわけだから、ゆっくりテークバックしながらトップで一旦動きを止めて、腰を切ってからダウン、というように一つ一つチェックできるのか。そのための超スローテークバック、150ヤード打ちというわけだ。

「1スイングに5秒かけるつもりで超スローのスイングをすると、クラブをインサイドに引き過ぎていないか、フェースが開いていないかなどの把握もできるし、修正も効く。あとはトップのあと、腰を切ってからポッコ~ンと打つだけです。これに慣れてきたら、1スイングにかける時間を1秒ずつ減らしていき、スピードアップしてみてください。150ヤードで打つという制約もなしでOKです。勢いや反動をつけてテークバックするクセが直り、スイングプレーンを丁寧になぞるような落ち着いた振りになるでしょう」

フルスイングの振り幅のまま、飛ばさずにゆっくり振ることで、トップでのタメが作れ、“下半身リード”する感覚を体に染み込ませることができる。手だけでスイングしてしまう、下半身が使えずに飛距離が伸びないと悩んでいる人はぜひ実践してみて欲しい。

◾️宮里 優
29歳でゴルフをはじめ、独学でゴルフ理論を構築。36歳の時に男子プロトーナメントの大京オープンにアマチュアとして出場。その後、ティーチングプロの道を歩む。子供たちと一緒に楽しみたいとやらせたゴルフだが、結果的に聖志・優作・藍の3人共プロゴルファーの道を選んだ。

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●どんなスイング理論でも全ての人には当てはまらない。関連記事『【診断】手のヒラを擦る? 目を閉じてその場で足踏み? 新感覚の理論で自分に合ったアドレスを見つけよう!』をチェック!

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