首位突破も低調な戦いが続くイングランド代表…サウスゲート監督「これまでよりは進歩した」

EURO2024・グループC第3節が25日に行われ、イングランド代表はスロベニア代表と0-0で引き分けた。試合後、イングランド代表を率いるガレス・サウスゲート監督が公式会見に出席し、試合を振り返った。

イングランド代表のここまでの成績は1勝1分。大会前から“優勝候補”と謳われながら、そのパフォーマンスは低調だ。スロベニア代表戦は、そんな今大会の“スリーライオンズ”を象徴するような試合となった。

立ち上がりからボールは握りつつも、決定機の数が多いとは言えず、21分にMFブカヨ・サカ(アーセナル)が挙げた得点も直前のオフサイドで取り消しに。後半もスロベニア代表を敵陣へ閉じ込めながら、最後までゴールを奪えず、スコアレスドローで終了。“不完全燃焼”の試合となったものの、勝ち点「1」を積み上げたことで首位で決勝トーナメントへ進むことは決まっている。

試合後、サウスゲート監督は「特に後半、ファンのみなさんはチームとともに戦ってくれた。それが大きな違いを生んだと思う。選手たちを誇りに思う」と切り出すと、「本当に厳しい試合だったが、彼らは落ち着いていたと思う。状況によく対処してくれた。後半は完全に試合を支配し、何度か本当に良いチャンスを作った。残念ながら、ものにすることはできなかったが、彼らの活躍にはとても満足している」と続け、試合内容に一定の手応えを示した。「もちろん、みんなをハッピーにするには2〜3ゴール必要なのだろう。ただし、グループを首位通過することができたんだ。本当に嬉しいね」と、結果として首位通過を果たしたことを喜んだ。

大会前、多くの人々がイングランド代表を“優勝候補”と見ていたが、サウスゲート監督は目の前の一戦一戦を勝ち抜くことにフォーカスしていると主張。「最初の目標は予選突破して本大会出場権を掴むことだったし、次の目標はグループステージを勝ち抜くことだった。ただ、今日は心強い兆しが見えたと言える」と話した。

また、この試合では、これまで出番がなかったMFコール・パルマー(チェルシー)とFWアンソニー・ゴードン(ニューカッスル)に初の出場機会が与えられた。多くの期待を集めていた2人のウイングプレイヤーが起用されたことで、交代選手にも注目が集まったが、サウスゲート監督も「今夜の試合では、選手交代がプラスに働いたと思う」と主張。その理由を次のような言葉で説明した。

「我々には、試合に影響を与えられる選手が何人もいる。今日は、ワイドプレイヤーに多くのスペースが与えられ、そこからチャンスを作れる展開だった。彼らはより多くの回数ボールを受けて、危険なプレーを見せてくれたと思う。一方で、中央の選手にとっては、スペースが少ないので少々難しい試合になっただろう」

サウスゲート監督は手応えを口にしているが、スロベニア代表戦は無得点に終わったことも事実。そこについて、サウスゲート監督は「ちょっとした“正しい”パス、最後のフィニッシュを打つタイミングを見つけられなかった。彼らは波状攻撃を続けたが、試合を決める瞬間を逃したということだ」と話している。だが、「ただ、我々がこれまでより進歩したのは事実だ」とも主張した。

今後の戦いを見据えて、サウスゲート監督は「チームが一丸となり、初めて成功することができる。そのためのエネルギーはチームにとって極めて重要だ」と発言。「私の仕事は、選手たちの能力を最大限に引き出し、彼らをふさわしい結果へ導くことだ」と語った。

イングランド代表にとって次の試合は、現地時間6月30日に開催。日本時間では30日の25時00分(7月1日の1時00分)キックオフだ。なお、決勝トーナメント1回戦の相手は、3位通過する4チームが決まった後で正式に確定する。

【ハイライト動画】イングランドは最後までこじ開けられず…

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