【密猟被害か】国内最大の甲虫 ヤンバルテナガコガネを密猟か 環境省と警察が連携して調査

沖縄本島北部のやんばる地域に生息し、日本最大の甲虫として知られる国指定天然記念物「ヤンバルテナガコガネ」が密猟被害にあった疑いがあることが分かりました。

ヤンバルテナガコガネは、種の保存法で捕獲、採取、輸出入などが原則禁止されています。

やんばる自然保護官事務所によりますと、今年3月3日、環境省がやんばる国立公園内でヤンバルテナガコガネが生息していた樹木を調査したところ、樹洞にいたことがわかっていた幼虫がいなくなっていたということです。

この木には足をかけたとみられる新しい破損個所が複数あり、ヤンバルテナガコガネが餌にするフレーク(腐植質)が不自然に散乱していたことから、野生動物による危害の可能性は低く、密猟の疑いがあるとして警察に通報したということです。

やんばる自然保護官事務所は、「ヤンバルテナガコガネは生息範囲がとても狭く、正確な個体数は不明だが極めて少ないと考えられている希少種。1件の密猟であっても種の存続に与える影響が大きい」としています。また密猟が疑われる状況に遭遇したら、環境省や警察に連絡するよう呼びかけています。

【ヤンバルテナガコガネ】
1983年に新種と認められた日本最大の甲虫。成虫はおよそ50ミリから60ミリまで成長する。2000年ごろまで、生息木を切り倒すなどの乱暴な密猟行為がみられていたが、やんばる自然保護官事務所によるとここ20年ほどは密猟事案の発生はなかったという。

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