給食の「ビワ」で100人以上からアレルギー反応…何が起きた? 果物によるアレルギー症状に「花粉症」が影響する可能性も…注意点は?

山梨県の学校給食で25日に提供された「ビワ」が原因のアレルギー反応が児童生徒100人以上から報告されました。
一体何が起きたのか…こうした果物を食べたことによるアレルギー症状、実は私たちに身近な「花粉症」が影響する可能性もあるんです。

山梨県の富士吉田市によりますと、市内11の小中学校の25日の給食で、およそ3500食の「ビワ」を提供しました。

その後、のどの違和感や目が赤く腫れるなど児童生徒126人にアレルギー反応が出たということです。

このうち小学生3人が医療機関で治療を受け1人が入院しました。

そもそも、ビワアレルギーとは、どういったものなのでしょうか。

内科・アレルギー科 武本クリニック 武本祐 院長
「いわゆる特定の食べ物を食べた後に、口の中がかゆい、のどがいがいがする、こういった場合は『口腔アレルギー症候群』が生じたのではないでしょうか」

「口腔アレルギー症候群」とは、特定の食べ物を食べたときにアレルギー反応を引き起こすこと。多くが軽症ですが、まれにアナフィラキシーショックなどの重篤な症状を起こすこともあるといいます。

そして、アレルギー反応を引き起こす、もうひとつの可能性として考えられるのが、「花粉症」の影響です。

内科・アレルギー科 武本クリニック 武本祐 院長
「『花粉食物アレルギー症候群』。略称で『PFAS』といいますけど、花粉の原因物質に似た物質を有する食べ物、果物や野菜を摂取することによって、アレルギーが生じてしまうことがあります」

花粉症をもっている人が、特定の果物や野菜を食べることでアレルギー反応を起こしてしまう可能性があるのです。

ビワの場合は、「カバノキ科」の花粉症との関連が報告されていますが、そのほかにも、例えば、スギ・ヒノキアレルギーの場合はトマト、ブタクサアレルギーの場合はメロンやスイカなどの組み合わせについて、アレルギーを起こしやすい報告がされているということです。

内科・アレルギー科 武本クリニック 武本祐 院長
「この食べ物にアレルギーがあるっていうことは分かっておられると思いますけど、なかなかPFAS(花粉食物アレルギー症候群)のことまで考えている人は少ないと思いますので、なぜか今まで出たことのないアレルギーが出たときに関しては、少し注意が必要だと感じます」

また必要に応じてアレルギー検査を受けるなど、自分のアレルギーを知っておくことも重要だということです。

それでは給食でのフルーツの提供について、鳥取県米子市ではどうなっているのでしょうか。米子市給食センターの場合は…

米子市教育委員会の担当者
「野菜などもサラダに使用するときは、加熱処理してお出ししているような状態でして、生の果物の場合は加熱処理ができませんので、提供していないというのが実態です」

こちらの給食センターでは、ビワに限らず、食中毒などへの対策として生のフルーツの提供しておらず、サラダなどで野菜を提供する際も、一度ゆでるなど加熱調理をしています。

米子市では今年度、卵や牛乳のアレルギーを持つ生徒・児童148人に除去食メニューを提供していて、年々、増加傾向だと言います。

米子市教育委員会の担当者
「除去食や対応食が必要なお子さんは年々増えている傾向です。子供たちだけの問題ではないと思うんですけれども、アレルギーを持っているそもそもそのお子さんですとか、大人もそうですけど、増えている。花粉症ですとか全般的に増えていっているので、そういったようなことが影響していると思います」

そのほかのアレルギーを持っている生徒・児童については、事前に提供する食材の情報を共有し、各家庭と相談しながら個別の対応を行っているということです。

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