大飯原発3、4号機の30年超運転を認可 原子力規制委員会、新制度で初

 運転開始から30年を超える関西電力大飯原発3、4号機(ともに加圧水型軽水炉、出力118万キロワット)について、原子力規制委員会は6月26日、40年までの運転に必要となる「長期施設管理計画」を認可した。原発の60年超運転が可能になる国の新制度導入に伴う新たな規制手続きで、同計画が認可されたのは国内原発で初めて。

 来年6月に始まる新規制制度では、運転開始30年以降は、事業者が最長10年ごとに施設や設備の劣化状況の確認、対応方法などをまとめた長期施設管理計画を作成し、規制委の認可を得る必要がある。大飯3号機は運転開始32年、4号機は同31年が経過。既に30年を超えて運転している原発は新制度開始までに認可が必要となり、関電は昨年12月に2基の計画を申請していた。

 2基の計画には、原子炉容器などの設備の経年劣化に関する技術評価などを記載。新制度では機器や部品が製造中止になった場合の対応も審査対象となり、関電は各メーカーから製造中止品の情報を収集し、必要に応じて代替品の選定や検証を継続的に行っていくことを盛り込んだ。

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 福井県おおい町の中塚寛町長は「より安全性を高める新制度をクリアしたことは、立地の安全安心と国民の信頼につながるものと評価する。今後とも国内外の最新知見を取り入れるなど、たゆまぬ原子力の安全性向上に向け、緊張感を持って取り組んでいただきたい」とコメントした。

 新制度開始までに認可が必要となる関電の県内原発は残り5基あり、高浜2号機は7月中旬、高浜3、4号機は8月上旬、美浜3号機は同下旬に申請する方針。高浜1号機は、現行制度で50年超運転に向けた保安規定の変更認可を申請しており、審査が終わり次第新制度で申請する。

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