【インド】木村鋳造所、印鋳物メーカー向けコンサルへ[製造]

25日の譲渡式に参加したJICAインド事務所の有馬朋宏次長(左から2人目)、在ベンガルール日本国総領事館の中根勤総領事(同3人目)、木村鋳造所の木村寿利社長(同4人目)、KGTTIを運営するカルナタカ・ドイツ多技能開発センターのラグパティ局長(右から3人目)

自動車ボディープレス金型用鋳物などを製造する木村鋳造所(静岡県清水町)は、インドの鋳物メーカー向けにコンサルティング事業を開始する。今年中にも現地法人を立ち上げる計画で、国際協力機構(JICA)から受託して教育支援を行ったカルナタカ・ドイツ技術訓練学校(KGTTI)とも提携していく考え。

インド法人は南部カルナタカ州ベンガルール(バンガロール)に設立し、木村鋳造所からも従業員を派遣する。発泡スチロールを用いて鋳造するフルモールド法製造設備などの利用契約をKGTTIと結び、自動車のボディープレス金型や工作機械部品向けの鋳物製品の品質向上などを求める事業者に、従業員の管理や品質検査などのコンサルティングを提供する。木村鋳造所海外営業部の溝口護部長は、NNAの取材に対し、「現段階で製造事業への参入は考えていない」と述べた。

木村鋳造所はJICAから、KGTTIへの知識提供や、授業のカリキュラム作成などを行う教育支援事業を受託し、2022年3月から実施してきた。今月25日には、JICAが鋳物製造設備をKGTTIに譲渡し、記念式典には80名程度が参加した。JICAからの受託事業は今年末をめどに完了する予定だ。

KGTTIは、今年末から25年初頭の間に鋳造技術を学ぶことができる学科を新設する予定。木村鋳造所は、今後KGTTIに対しても、設備の利用方法などのコンサルティングの提供を検討している。

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